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インハウス就活記録〜プロローグ〜
はじめに
みなさま、ごきげんよう!前回の更新から年始バタバタしていたり、ロースクール最後の期末試験があったりでだいぶ時間が空いてしまいました…
私はやっと就職先が決まりました!製薬の会社にインハウス弁護士として就職します。私自身、就活中にインハウス就活の情報があまりなく困ったので、インハウス就活について書いていこうとおもいます。とはいえ、私は最初からインハウス志望ではないので、今回はまず何故わたしがインハウス就活するに至ったかを書いていきます。お付き合いのほど、よろしくお願いします。
ロースクール入学前〜司法試験まで
ロースクール入学前
私がロースクールに入ろうと思ったのは、法律知識にも医療の知識にも乏しい弱い立場にある依頼者を救う弁護士になりたいと思ったからです。つまり、患者側で医療過誤を扱う弁護士が夢でした。
私は学部も法学部法律学科なのですが、学部3年くらいまでは全く法曹になることは考えていませんでした。ですが、学部3年で医事法の授業を履修した際に医療過誤紛争を取り扱う弁護士がいるということを知りました。私は高校3年生のときに、祖母を病院で亡くしたのですが、そのときの病院の対応で不誠実だと思うことが多かったです。しかしその時は法律の知識も医療の知識も無かったので、泣き寝入りするしかありませんでした。この時の経験を医事法の授業を受けて思い出し、私のように法律の知識も医療の知識もなく、弱い立場にある医療過誤被害者やその家族の力になれる弁護士になりたい!と思うに至りました。
ロースクールも医事法や法医学の授業があるところを選び、入学しました。
ロースクール2年生
ロースクールに入って、2年生の夏休みにエクスターンで医療側医療過誤や医療現場の労務管理をするブティック事務所でエクスターンをさせていただきました。
弊ローはすごくたくさんエクスターン先があるのですが、医療系を扱っている事務所は実際にエクスターンさせていただいたところしかなく、患者側希望の私としてはちょっと複雑だったのですが笑、定員が1人の枠を見事勝ち取りエクスターンをさせていただきました。
そこでは、実際の医療過誤訴訟のWeb期日に同席させていただいたり、先生の案件のお手伝いでインプラントについて資料収集したりしました。(おかげでインプラントの仕組みについては、バッチリです笑)
エクスターンを通じて痛感させられたのは、やはり患者側が医療訴訟で勝つのはとても難しいということです。立証責任の点もありますが、証拠が患者の手元にないことが多い点、仮に証拠が手に入ってもそれを解読するには医療知識が必要な点が患者側が勝つのを難しくしていると思いました。
このエクスターン経験を通して、「患者側医療過誤は実際に起きてしまった医療過誤にしか対応できない。医療現場の労務管理等を通して、医療過誤を根本的に発生させない弁護士になりたい!」と考えるようになりました。
司法試験後
事務所コンタクト祭り
3年生の7月に司法試験を受験しました。手応え的には絶対落ちたな…と思ったのですが、勉強再開する気にはなれないし来年のためと思って就活を始めました。
私は既述の通り、医療側で医療過誤や労務管理を扱う弁護士になりたいと思うようになったので、そのような案件をやっているブティックを中心に就活を始めました。
しかし、そのようなブティックは都内で2ヶ所くらいしかありません(私調べ)し、1ヶ所は席が埋まっていて採用活動をしていませんでした。採用活動をしていたもう1ヶ所のブティックは事務所訪問させていただき、採用選考に応募したのですが、まさかの書類落ち…。ローの成績は割といいので、サマークラークでも最低限面接まで行けていたのでとてもショックでした。
そこで、上記のような案件を扱っている事務所(ブティックは無いので、そのような案件を扱っている先生がいらっしゃる事務所)を探して、コンタクトをとり事務所訪問をさせていただく活動をしました。ちなみにどのように探したかというと、弁護士会の医療ADRで医療側の仲介人をしている先生を弁護士会のサイトで確認しました。その方法で15ヶ所くらいはコンタクトをとったのですが、打率としてはかなり低かったです。新卒採用をしていないところとか、そもそも連絡が返ってこないところが多かったためです。
街弁就活
いよいよ就活がやばくなってきたので、視野を広げて一般民事の街弁の就活も始めました。①医療知識を必要とする案件(交通事故、損害賠償系)を扱っている事務所であること、②できれば女性の先輩弁護士がいるところ、③雰囲気が合っていそうなところの3つの基準で事務所を探しました。
しかーし、なかなかいいと思う事務所がない+あっても落ちる!!!
1ヶ所面接をしていただいた事務所の先生に、「あなたは英語ができるんだから、英語を使う仕事をした方がいい」と言うアドバイスをいただきました(伏線)。ちなみに私は帰国子女ではありませんが、英語は4技能それなりに使えます(英検1級、TOIEC955点)。
街弁でバイト
9月から街弁でバイトを始めました。
バイトを始めるまでは、一般民事をやっているところに就職するのもアリだなと思っていたので、そのような事務所の就活もしていたのですが、バイトを始めて考え方がいい意味でも悪い意味でもガラッと変わりました。
結論から言うと、「街弁しんどい。絶対やりたくない、というかできない。」と思いました。街弁は一般市民が相手ですから、0から100までわかりやすく説明しなければなりません。また、依頼人が精神的に追い詰められていることが多いため対応にかなり気を使わなければならない点、必ずしも依頼人と弁護士の意見が一致せず依頼人が喧嘩腰になる点が特にしんどかったです。
合格発表後
そんなこんなで合格発表の日が来ました。そしてまさかの合格!!つまり、就活続行…この時点でかなり就活に疲弊してたので、合格はすごく嬉しかった一方で就活…🫠という感じでした。
三会合同就活説明会
毎年11月20日ごろに行われている東京3弁護士会合同のweb就職説明会に参加しました。そこでは、上記基準①〜③を満たしていそうな事務所の説明会に参加しました。なお、三会合同の説明会は事前に参加する事務所ごとの概要を確認してエントリーし、当日zoom等で参加する仕様でした。結論、収穫なし。どれもピンときませんでした(失礼)。
後から知ったのですが、この三会合同の説明会はインハウス就活の主戦場だそうです。実際インハウスの説明会もたくさんありました。上述の先生からのアドバイスを受けて、英語を使う場面はインハウスの方が多そうと思っていたので3つほどインハウスの説明会を聞きました。そうすると、びっくり!魅力を感じることが多かったです。また、インハウスでも医療に近い分野をやっている企業なら、興味がある医療という点でもある程度近い距離で仕事ができるのでは!?と、さらにインハウスに魅力を感じて、製薬・化学メーカー・セキュリティや訪問医療看護をやっている企業にエントリーをしました。
そんなこんなで色々あって、インハウス就活がスタートしました!インハウス就活の詳しいことについては、次回のお楽しみ!!