愛する息子よ。
息子が生まれて早数ヶ月
まだまだ小さくて、えんえん泣いて、ニコニコ可愛いだけの息子
ずり這いやハイハイの前兆が見え隠れして母は焦り。
これから沢山動いたりするようになったら書けないだろうから寝顔を見ながら少し語る
この子が産まれてすぐ、我が家の息子はNICUに入った為、直接見て触れ合えるまで2日、この胸に抱けるまでは5日。少しラグがあった
産まれてすぐ一瞬だけ見た息子は、酸欠で体の色がすごく黒くて、産声はあげるけど少ししたら泣くのをやめて先生に背中をさすられていた。
曲がりなりにも2度目の出産イレギュラーが起きてることは容易に分かった。軽く説明を受けて直ぐにNICUに連れていかれてしまった。
外で待つ彼に寝たきりで少し話をしてお別れしてから病室に戻り、ちゃんと産んであげれなかったのが辛くて窓の外台風で大きく揺れる木を見て静かに泣いた。
でもそんなことは言ってられない。
帝王切開をした母の第1関門。翌日にはすぐ歩行訓練。歩けたらNICUに赤ちゃん会いに行こう。看護師さんのその言葉に易々とのせられまさかの1発で立ち上がり10mほど歩いた。
NICUにいる息子は、小さな体で大きな希望を抱えて沢山沢山頑張ってるんだ。それを母である私が見てあげないでどうするんだ。その一心で勇気と気合いを貰った。
でもそう上手くは行かなかった。
赤ちゃんの容態が良くないから今日難しくなっちゃった。ごめんね。この言葉息子が退院してくる生後2週間まで嫌ほど聞くことになる。
この日は看護師さんに撮ってきて頂いた写真で息子の姿を初めてしっかり確認した。
酸欠で真っ黒の肌。小さい手に繋がれ包帯でぐるぐる巻きの点滴。挿管のチューブ、太い人工呼吸器。心電図。これでもかと言うほど管に繋がれて
あー、なんか試験管で液体に漬けられて管まみれにされてる囚われた異星人とか、こんな感じだよなぁ。と思って泣くのを堪えた。
看護師さんには可愛いですね。って言ってもらった…こんなに痛々しいのに?って思ったけど可愛いのだと思おう。そう。きっと可愛い。
その写真を彼と共有して名前を決めた。お腹にいた時から何となくこの名前になるだろうと思っていた推していた名前。
彼と対立していたけど写真を見て彼も『〇〇がいい』と寝返った。
ほらね。やっぱこの子は〇〇だったんだ。
産まれる前から分かってた。
そして翌日初めて会った息子。手のひらで背中全部覆うほど小さい息子。管は相変わらず健在。だけど
小さい体で逞しく生きてる息子が誇らしくて愛らしくて写真を撮る手が止まらない。
可愛くて可愛くて愛しくて愛しくて、お腹庇ってるからそんなことは出来ないけど、走り回りたくなるくらい可愛くて
初めて抱いた日はもう片時も離れたくなくて。このまま連れて帰りたかった…でも退院はまだダメで
母が退院した日。そこから更に1週間。毎日毎日3時間おきにアラームかけて搾乳して息子に届けた。
強く大きくなって欲しくて少しでも多く母乳を飲んで早く元気になって欲しくて。
退院する前の母子同室も2回延期した。そしてやっとの思いで退院前日、母子同室…楽しくて仕方なかった。3時間おきに搾乳してたから3時間おきに起こされる音が無機質なアラーム音じゃなくて息子の元気な泣き声なだけで嬉しかった。やりきった息子。搾乳やりきった私。本当に嬉しかった。
それから今まで楽しく5ヶ月が過ぎた。
あんなに小さかったのにどんどん大きくなって今はもう離乳食を食べている。母乳すらままならなかった息子が。離乳食。感慨深いなんてもんじゃない。
立派な息子。
この子はこれからこの澄んだ綺麗な瞳で色んなものを沢山見ていくと思う。でもどうか、母の願いを少しだけ汲んで貰えるなら
その瞳に映るものは全てキラキラ輝いていて欲しい。
暗く濁ったものは見ないで大人になって欲しい。
この今はまだ小さな手も。
大きくなってこれから沢山の物を掴んで、沢山の人と手を取り合い。沢山の人の頬、頭を撫で、背を押すのだと思う。
それも、わがままが叶うのなら全て暖かい気持ちになれるものや人であって欲しい。
でも。何よりも。ただ1つ。どんな人生でも。ただ優しくずっと笑って生きて欲しい。
苦労を苦労と思わず全てを楽しんで。前向きで強く逞しく勇敢で楽しい人生を送って欲しい。
誰かにとってのいい子じゃない。そんなものは都合のいい子。
そうじゃない、子ども自身の人生、自分にとっていつまでもいい子であり続けて欲しい。
そのために母はどんなサポートも厭わない。
いつの日か、母がうざくなったら気にせず手を離してくれ。私は遠くからでも息子の幸せを願う準備は…今はまだ出来ないけどなるはやで装備する。次回のアプデくらいで。
今はやはり大卒までママって呼んで欲しいし彼女も嫁も作って欲しくないよ。
愛する息子。
今回は息子にフォーカスしたけど、もちろん娘にも色々思う部分はあるからそれはまた後日。
作ったカレーあっためないと…