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医者とは「医師免許を持つ人」でしかない現実
「医者とは何か?」と問われたとき、多くの人が「医師免許を持つ人」と答えるでしょう。この認識自体は法律上正しい。しかし、実際の医療現場では、この答えだけでは不十分であることを、私自身の経験を通じて痛感しています。
医師免許を持っていることは、その医者が優秀であることの証明にはならない。むしろ、免許を持つ人間の中には、的確な診断ができるプロフェッショナルもいれば、誤診を繰り返す素人同然の者も含まれています。これは、運転免許を持っている人々の中にプロのF1レーサーからペーパードライバーまでいるのと同じことです。医師免許とは、単に「医者」と名乗るための最低限の条件に過ぎないのです。
誤診は避けられない現実
私の知人の話ですが、病院で「異常なし」と診断されて安心していたところ、1年後に見逃されていた癌が発覚し、手遅れになったというケースがありました。この話を聞いたとき、私は「医者を変えればよかったのに」と思いましたが、そのような選択肢を思いつかない人も多いでしょう。しかし、このような誤診は医療現場で珍しいことではなく、むしろ当然の結果なのです。
私自身も「椎間孔狭窄症」による右足の痺れと動きにくさで、7人の医者を渡り歩いた経験があります。最初に診察を受けたのは、評判の良い近所の整形外科でした。そこでは「異常なし」と診断されましたが、原因は単純でした。その病院にはMRIがなく、レントゲンしかないため、神経の異常を確認できる設備が整っていなかったのです。レントゲンでは神経の状態を映し出すことはできないため、最初から適切な診断が不可能だったのです。
次に訪れたMRI設備がある病院で撮影を行いましたが、ここでも「異常なし」とされました。しかし後に、そのMRI画像を別の専門医が確認した結果、明らかな異常が発見されました。結局、最終的に6ヶ月待ちや8ヶ月待ちの医療機関で正確な診断を受けることができましたが、そこに至るまでの医者たちは全て誤診していたのです。
医者を「変える勇気」が命を救う
このような経験から、私は「医者とは免許を持つだけの人間」であるという現実を痛感しました。彼らの診断が間違っている可能性は常に存在し、その誤りが自分の命を危険にさらすこともあります。だからこそ、納得できない診断を鵜呑みにするのではなく、複数の医者に診てもらうことが重要なのです。
「ドクターショッピング」と揶揄されるかもしれませんが、そんな言葉に惑わされてはいけません。医者を信じすぎることは、時に自分の命を危険にさらす行為です。医者を変え、納得できる診断や治療を探し求めることは、自分の命を守るための最低限の努力なのです。
医療に対する自己責任の必要性
最終的に、私は「手術をしないと歩けなくなる」という2人の名医の診断すら受け入れませんでした。結果として、私は手術をせずに回復し、今では武術を楽しむまでになっています。ここで重要なのは、医者が必ず正しいわけではないという事実です。医者の言葉を盲信するのではなく、最終的な選択は自分自身で行う必要があります。
医者の診断が間違っている可能性を考え、必要であれば複数の医者に当たり、自分の体や命を守ること。この考え方こそが、現代の医療環境において生き残るために必要な「自己責任」の姿勢ではないでしょうか。