うつ病完治への道(15)〜回復への道筋(クレイグブロード著テクノストレス)〜
うつ病を泥沼化させたのも、絶望の淵から引き上げてくれたのも、結局は本でした。
話を30年前へと戻します。
うつ病を患っていた僕は出張や残業が禁止されていることを会社に伝え、会社では社内業務を細々とこなし、毎日定時に帰る生活を送っていました。
そんなある日、会社の本棚に、たまたまあったクレイグブロード著「テクノストレス」を、たまたま手にしたのです。
そこには、僕がうつ病を発症させた原因でもある、深夜でも容赦なく呼び出されるIT関連の調整作業をはじめ、どれもが身近に感じるものばかりでした。
また心理学者であるクレイグブロードは、自身の聞き取りや臨床データから、コンピュータに触れる人たちに対し、以下のような警鐘を鳴らしてます。
「人間が求めて止まないはずの感情、他人を思いやる能力が低下してきている」
「洞察力の土台となる部分を崩壊させてる」
「体験に学ぶことがなくなり、知性の発達に決定的な影響を及ぼしている」
「時として、突破口を開くのに飛躍的な発想が出来ない」
「物事の理解に必要な思考力、独自の発想で粘り強く問題を解決する力を失っている」
テクノストレスは40年も前、コンピュータに触れる人に向けて問題提起されましたが、今読み返しても全く色褪せていないどころか、現代のスマホやゲーム依存に対しても、思いとどまらせるに充分な説得力を持ち続けていると改めて感じているところです。
当時、これらは僕自身全く持ち合わせていなかった概念であり、「はっ」と気付かされたことを昨日のことのように思い出しているところです。
この本に出会って以来、今に至るまでの30年もの間、クレイグブロードの残した警鐘は僕自身の精神的な土台を成して今に至っており、こじらせていたうつ病を回復方向へ導く「直接的な」きっかけとなった本です。
以後30年もの間、一度もうつ病を発症させておらず、眠剤すら一粒も飲まずに済んでいるのは、今もなおクレイグブロードの主張が正しいことを証明し続けているのかも知れません。
また、民間療法を含め、今ひとつ効果が上がらなかった原因は、そこにテクノストレスの概念が欠けているからであり、フロイトの流れを汲む従来の精神学で学んだ人達の手では対応出来なくなっているのではないのかと、当時思ったことを思い出します。
僕がうつ病に罹患した30年前と比べ、今はスマホを含め、生活からIT機器を切り離すことが更に困難となり、複雑化を極めています。
なかなか症状改善の見込みが立たない場合は、僕の症状改善が一気に進み、以後今まで一度も発症させていないように、テクノストレスを疑ってみる余地は充分に残されているのかも知れません。
さて、15話まで毎日駆け足で書いてきましたが、ここでやっと折り返し地点。
まだまだ書きたいことが沢山ありますが、少し疲れも出て来たので暫く充電期間を取ろうと思います。
再開時には、また目を通して頂ければ大変嬉しいです。
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