20200820_自分の見た目を好きになりたい

自分の見た目が好きになれないという悩みとは、もうずいぶん長い付き合いである。まず理想の顔と体が男、と言う時点でかなり道を踏み外してしまった。

思春期、同級生が化粧水やらクリームを買い、日焼け止めを塗り、化粧を覚え、似合う服をとっかえひっかえ試着してお洒落に磨きをかけていたころ、私といえば胸をサラシでつぶしたり、丸みを帯びた体が隠れるだぼだぼの服を着たり、シークレットブーツを履いたりという報われぬ努力をしていたのだ。大人になるにつれ徐々に女に化ける方法を学んだが、心の中では「どうせ何したって男になれるわけじゃなし」といじけまくっており、見た目に手間や金をかけるのを惜しみまくっていた。

かといってホルモン治療するほどの金も決意もなく、そのうち性自認も徐々に中性寄りに変わってきた。それに伴いこの顔と体の性別ともようやく折り合いがついてきた。そろそろ綺麗になっちゃおうかな、俺。

そこで友人の助けを借りて、一から美容やお洒落についてやっていくことにしたわけだ。まずは自分の今の状況を把握することからことは始まる。と、ここで大変辛いことが分かった。「どうせ男にはなれない」という大きなコンプレックスの陰に隠れていた、無数の嫌なところと直面する羽目になったのである。子供のころからあるそばかす、クマ、骨折して左右非対象になった頬骨、死んでいる表情筋、いまだに元気に発生する吹き出物、などなど。

今まで鏡をよく見ずに生きてきたツケが回ってきた、と落ち込んでいると、友人が「まいけるの魅力UP作戦」と称してスキンケアからメイクアップまで、私に合わせた作戦を事細かに計画してくれたのである(進行中)。

これはくよくよ言ってられねぇなと、今晩勢いで美顔器を買った。半年ほど前に夫に勧められて買ったあと休ませがちだったスチーマーも使い始めた。エイジングケア用のシートマスクやら、ビタミンCが入った化粧水も買ってみた。先日パーソナルカラー診断というものにも行ってきて、似合う色や服の形も教えてもらい、早速ワンピースを一着通販してみたところだ。

今まで理想(男の体)にとらわれて、自分の実際の見た目にほとんど気を配ってこなかったが、そろそろありのままを認めてそれを高めていくことに意識と金と手間を使ってもいいんじゃないか。いまだに化粧したりスカートを履くのは照れ臭いので「女装」という言葉を使ってしまうが・・。

でもやっぱりどこか男性化の夢も捨てきれないので、髭の生えたマッチョなイケオジになりたいという高度な夢は諦めるにせよ、ジェンダーレス男子くらいの男装はやってみようかと思う。乞うご期待?

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