大統領SPが国会議員を強制排除…独裁政治を飛び越え”王政”と化した尹錫悦
次の写真を見てどのような場面だと思われますか?
恐らく「黄色の円で囲まれている人が、どこかへ連れ出されようとしている場面」に見えるでしょう。
問題は、この黄色の円の人物は誰なのかということです。
実はこの人物は韓国の国会議員、カン・ソンヒ議員です。進歩党という政党に所属しており、以前に当noteでも取り上げた議員です。
1月18日に行われた「全北特別自治道」発足式の席で、尹錫悦大統領が開会前に来賓にあいさつしに回っていたのですが、同じく招待を受け出席していたカン・ソンヒ議員の所で言葉を交わした後、大統領のSPがカン・ソンヒ議員の両手両足を抑えつけ、口を塞いで会場の外へ連れ出す事態が起きました。
この場面は映像でも残されています。
カン・ソンヒ議員は発足式直後に記者会見を開き、「式典で会った尹錫悦大統領に『国政基調を変えてほしい。そうでなければ国民が不幸になる』と言っただけなのに、警護員に会場の外に放り出された」と説明しました。
詳しい状況について「尹大統領と握手しながら話しかけたが、言葉が終わらないうちに大統領室の警護員に手足をつかまれ、会場の外に引っ張り出された。その際、警護員の手で口をふさがれ、眼鏡も外れた。再入場することもできなかった」と述べています。
そして「国民の気持ちを伝える普通のあいさつをしただけなのに、その一言がそれほど気に障ったのか」と批判しました。
個人的な所感ですが、国民の代弁者である国会議員が口と両手両足を抑えられて大統領のSPによって強制排除される姿は、今の韓国の社会状況をそっくりそのまま映していると思います。
特に口を塞ぐという行為は「発言させない」ことを念頭にしており、大統領にとって不都合なことを大統領の耳に届かせないという意志が見て取れます。ある意味直接的な暴力よりも恐ろしいことであると感じます。
確かに直近で最大野党党首が刃物で切り付けられるという衝撃的な事件が起きましたが、公的人物である国会議員を抑えつけて口を封じて強制排除することが正しい警護だとはまったく思えないです。
大統領の意思にそぐわない存在は排除する、これはもう独裁ですらなく王政であると私は思います。まさか21世紀になって祖国で「王」を目撃することになるとは思いませんでしたが、「王」の末路は得てして悲惨なものであることは歴史が証明しています。
今回は記事翻訳はありませんでしたが、今後もこのような記事を書いていきたいと思っていますので、面白ければ応援よろしくお願いいたします。SNSなどへの転載も大歓迎です。
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