[記事翻訳]「尹錫悦当選」を露骨に望む日本
第20代大統領選挙が目前に近付く中、大統領選に日本の関心が大きく集まっている。誰が韓国の大統領になるかで、韓日関係が大きく変わる可能性があるからだ。日本は野党「国民の力」尹錫悦(ユン・ソンヨル)候補を露骨に支持する姿を見せている。
「尹錫悦当選」を望む日本のマスコミ
日本のマスコミは尹錫悦候補の当選を望むような報道を日々発信している。
日本のマスコミが尹候補の当選をどれだけ望むかを示す記事がある。2月15日、週刊誌「現代ビジネス」は<“最悪”だった文在寅より”はるかに最悪な韓国大統領”が誕生するかもしれない理由>という記事で尹候補を次のように評価した。
別の報道も見てみよう。3月3日、尹候補と安哲秀(アン・チョルス)候補が予告なしに単一化宣言をした際、日本でも速報が伝えられた。
日本の公営放送NHKは「尹候補と3位を走ってきた安候補の単一化で、与党批判票の分散を避ける運びとなった」「終盤を迎えた選挙戦に大きな影響を与えるという見方が出ている」と伝えた。
日本のマスコミは進歩、保守、極右関係なく尹候補の側についた。進歩傾向の朝日新聞は「5年ぶりに政権交替の可能性が高まった」、保守傾向の読売新聞は「尹候補が大きく優勢になるだろう」、極右傾向の産経新聞は「接戦を繰り広げてきた選挙戦最終局面に影響を与えるだろう」とし、尹候補に有利と報じた。
また日本のマスコミでは「(尹候補の父は)文科省1号奨学生出身」とし、尹候補に親近感を示している。日本のマスコミからすれば、露骨に「親日路線」を押し出してきた尹候補はとてもありがたい存在だろう。このように日本のマスコミは陣営を越えて”尹錫悦当選”を望むようだ。
日本が尹錫悦を愛する理由
それでは、日本のマスコミが尹候補を愛する理由は何だろうか?それは尹候補の止まらない親日路線にある。
振り返ってみれば尹候補はこの間、一貫して親日発言を繰り返してきた。
「有事に日本の自衛隊が朝鮮半島に入ることは可能」
「福島原発は爆発したことがない。放射能流出もなかった」
「慰安婦合意(12.28合意)や強制徴用など、すべての懸案を一つのテーブルに乗せて交渉しよう」
「文在寅政府が理念偏向的な竹槍歌を歌ったから(韓日関係が)こうなった」などだ。
尹候補のこのような発言は日本に向けた「私は文在寅政権と違って親日です」というアピールだった、というわけだ。
昨年7月にMBCラジオ<キム・ジョンベの視線集中>に出演したイ・ヨンチェ恵泉女学園大学教授は、次のように強調した。
事実、韓日関係がこのようになったのは日本の経済報復のせいで、日本の責任がより大きい。ところが尹候補は韓日関係が悪くなったのは韓国政府のせいだと主張し、日本の論調に合わせている格好だ。だから日本としては尹候補の当選を望んでいるのである。
日本のマスコミ視線で考えた時、このように「親日色」を前面に示す尹候補を歓迎しない理由がない。尹候補は「韓日関係の懸案事項を日本の言う通りに解決します」と全面アピールしているのだから。
これまでも韓国国内で日本側についた親日人士は少なくなかった。しかし、尹候補のように露骨に放射能汚染水放流と自衛隊の朝鮮半島介入を擁護する大統領候補は他に例がない。
このような状況を踏まえ、国内では昨年総選挙に続き「今回の大統領選挙も韓日戦」という世論が出ている。日本の肩を持ち、様々な親日妄言をしてきた尹候補に向かう厳しい民心と言える。
しかし尹候補は親日路線に関してまったく反省の気配すらない。尹候補が万が一にも大統領になれば、今後の韓日関係がどうなるかを推測するのはそれほど難しくなさそうだ。
尹候補が当選すれば恐らく日本が望む12.28合意の復活は基本であり、
△放射能汚染水放流による韓国海洋の汚染
△韓米日軍事安保協力を口実にした自衛隊の朝鮮半島介入
も視野に入るだろう。日本としては尹候補の当選が最善となる。
李在明落選運動までする日本の極右勢力
一方で、日本の極右勢力は相手方である李在明候補の落選運動まで行っている。
大統領選挙の在外投票が行われた2月27日、投票場が設置された駐日大使館・総領事館付近で日本の極右勢力が突然現れ、騒ぎが起きた。
日本の極右勢力は道の真ん中で「共産主義者李在明はいらない!」と叫び、文在寅大統領と李在明候補の写真に「✖じるし」をしたプラカードを高く掲げた。投票に来た韓国国籍者に李在明候補に投票しないよう圧迫する目的だ。
ところで極右勢力の登場は偶然のように思えない。何故なら日本の極右勢力は公安によって管理されているためだ。日本で嫌韓・反北の声を高めてきた極右勢力と公安は、密接な関係を結ぶ「持ちつ持たれつ」の関係だ。
昨年8月10日、MBC放送の報道番組「PD手帳」の<不当取引 国情院と日本の極右>でその実態が明らかになった。同放送では尹美香正義記憶連帯代表(当時)が日本を訪れるたび、欠かさず極右勢力の襲撃を受ける様子が描かれた。極右勢力の関係者は公安と近しい関係で、頻繁に連絡をやり取りしていると証言した。今回も極右勢力と公安の結託が働いたようだ。
自国の政治家でもない李在明候補を狙った落選運動は、度を越えた妄動だ。このように日本の極右勢力は文在寅大統領に続いて李在明候補にまで反感を示し、李候補が当選する可能性に強い警戒心を表わしている。
過去を振り返っても親日候補を諸手を挙げて支持し、相手方の候補をこき下ろしたことがあったかと思う。奇妙な極右化が進行している日本社会の自画像と言えるだろう。
出典:自主時報 3月8日付記事
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