医学科編入における科目選択

2023年に学部4年次で大分大学医学部医学科編入の最終合格をいただきました「せんよう」と申します。今回は医学科編入における科目数の選択について、私の意見を書いていこうと思います。


医学科編入の科目について

 医学科編入には通称「2科目型」と「4科目型」が存在しています。2科目型は、岡山大学、東京医科歯科大学、旭川医科大学、金沢大学、群馬大学、長崎大学、富山大学が該当します。その他大学でも、例えば大分大学は化学や統計が数問出ている程度でほとんどは生命科学の問題で占められていたり、筑波大学のように物理のない3科目型であったり、大学によって特色があります。私自身は2科目での受験を選択したため、4科目型に分類される各大学の細かいレベルは受験者の方の情報やKALSのサービスを利用して確認してください。

科目数の選択の基準について

2科目型と4科目型を選ぶ基準には大きく3つあると考えています。

⒈出身大学のバックグラウンド
⒉受験までどのくらいの勉強期間・時間があるか
3.英語が得意(少なくとも好き)

⒈出身大学のバックグラウンド

 出身大学で何を学んだかは科目数選択における重要な判断要素です。なぜなら、その科目に対する勉強の仕方や知識をすでに一度は獲得しており、あとは思い出し、磨き上げるという作業になるからです。例えば、工学系の方は大学数学や大学物理、大学化学を学んでいる方が多いため、4科目型を受けるハードルは低くなります。一方で、文系の方や私のように理学系でも大学レベルの数学や化学、物理を履修できなかった方は2科目受験をおすすめします。

⒉受験までどのくらいの勉強期間・時間があるか

 大学で学んだバックグラウンドがあるとはいえ、4科目型の編入学試験対策をする方は当然のことながら2科目型の方よりも多くの勉強時間が必要です。高校レベルの数学、物理、化学を必要とする大学(弘前大学、高知大学、滋賀医科大学、愛媛大学、琉球大学、山口大学、福井大学など)を受ける方も注意が必要です。高校時に理系だったからと不十分な勉強時間で挑むと確実に筆記落ちします(私の友人の体験談)。私は2科目型を選択し、1日4〜8時間程度の学習時間を1年続けて合格することが出来ましたが、4科目型の受験をされた方は現役工学部であるにも関わらず毎日10時間以上の勉強を1年ほどされたそうです。また、文系の方でも学業・仕事をこなしながら数年かけて数学・物理・化学を勉強したり、辞職されて1年間勉強に打ち込む環境を整えて合格した方もたくさんいらっしゃいます。受験予定時から逆算し、自分にどれほどの勉強時間が残っているかを考えて科目数を選択するのも一つの考え方です。

3.英語が得意(少なくとも好き)

 2科目型の場合は生命科学と英語のみになりますが、これは英語の比率が大変大きいということを示します。また、これらの大学は英語外部試験を導入している場合が多く、英語に自信のある外語系大学出身、外資系企業出身、海外大学出身、英語論文や英語での学会発表に慣れた院生・研究者出身の方々と戦わなければなりません。しかし、これらのバックグラウンドがなくとも英語の勉強が好きで続けられる方は問題ないと思います。実際、私は英語が得意になりうるバックグラウンドはありませんでしたが、英語は好きでしたので2科目型を選択しました。英語の勉強を極力減らしたい方は4科目型で英語の配点を分散させるのも一つの戦略です。

まとめ

 今回は医学科編入における科目数の選択について私の考えを述べてきました。4科目型を選択することで2科目型も受けられるというメリットもありますが、受験勉強は長期戦かつ精神的ダメージの多いものですので、無理をしすぎない程度に頑張れる選択をするのが1番だと思います。また、どちらの選択にせよ、生命科学は大きなウェイトを占めるので、生命科学の勉強時間を確保できるような環境を作れることが重要です。科目数の選択は志望校の選択にもなるため、今回の記事が少しでもお役に立てれば幸いです。