高円寺をもっとワクワクする街に!「空き家活用勉強会」を開催しました。
こんにちは、銭湯ぐらしです!
このたび、銭湯ぐらし内に「不動産チーム」を結成しました!
空き家の活用を通して高円寺を盛り上げたいという思いから、不動産運営者・建築家・宅建士など、様々な知見を持ったメンバーが集結。先月「第1回 空き家活用勉強」を開催し、活動をスタートしました。
今回は、活動をスタートした思いと、勉強会の様子をお伝えします。
銭湯が理由で引っ越す人が増えている?!
「小杉湯となり不動産チーム」の活動をはじめたきっかけは「高円寺に引っ越したい」という人が増えてきたことです。小杉湯となりがオープンして1年が経ちましたが、会員になるタイミングで他の街から引っ越してきた人もいます。
中でも多いのが、「小杉湯を使うのでバスタブは必要ない」という人や「古くても味のある物件に住みたい」という人…!
銭湯が好きな人は、古いモノを大切にしたり、地域での暮らしを楽しむ力があるのかも知れません。
でも、そういう物件に限って不動産屋には出てこないもの。
空き家は増えているのにもったいないな、という気持ちが募っていました。
空き家活用で、三方良し!!
そんな時、近所に住んでいる方から「私が持っている古民家を活用して欲しい」というご相談があり、小杉湯となりのサテライトスペース(小杉湯となり-はなれ)を作りました。銭湯がまちのお風呂であるように、まちでの暮らしを楽しめる拠点を増やしていこうという考え方です。
このとき気づいたのが、空き家を持っている人と、使いたい人が出会うことで、まちに新しい魅力が生まれること。また、高円寺にも空き家で困っている人がたくさん居るということです。
それなら、同じ悩みを持つ人や、活用したい人が出会う場をつくることで、いいアイデアやアクションが生まれるのではないか?そんな思いから「空き家活用勉強会」を開催することにしました。
今回集まってくれた方々
こうして勉強会を開催することになったものの、本当に参加者が集まるのか正直すこし不安でした。空き家の活用はこちらの一方的な考えで、所有者の方々からしたらただこちらの考えを押しつけているだけなのかも・・・と思うこともありました。
そんな不安の中で募集を呼び掛けてみると、想定以上の反響が…!!
当初午前中だけの開催予定でしたが満員となってしまい、急遽午前と午後の2部制へ変更することになるくらい参加の申し込みがあったのです。
参加してくださった方々に目的を聞いてみると、実際に高円寺近隣に空き家を所有の方から、地方に相続した家の活用に悩んでいる方、私たちのまちづくりの取り組みに興味を持たれた方など様々でした。
【参加者のお悩み(一部)】
・空き家を相続するも、活用方法や親族内での意見合わせが難しい。
・商店街でお店継いだが、次世代にも受け入れられる商店街・店づくりをしていきたい。
・築100年超(!)の物件を所有し、その歴史ある建築・家具の活かしたいがどうすればよいかわからない…
・地方の空き家を3件相続。うち1件は自身でDIYをして地域の人たちに活用される場になったが、他の物件もなんとかしたい。
【講義】空き家活用のポイント
勉強会の前半は、不動産運営者・建築家・宅建士など実際に空き家活用や運営をしているプロフェッショナルたちから「空き家活用のポイント」を講義。
▼講義①
「銭湯を活かした空き家活用」((株)銭湯ぐらし 代表 加藤優一)
トップバッターは、小杉湯となりを運営する(株)銭湯ぐらしの加藤。
空きアパートの活用が、小杉湯となりの建設につながった経緯など、銭湯を軸にしたまちづくりについて話しました。
また、建築家として全国の地域再生に関わることで学んだ、空き家を活用する際の難しさやコツについても共有しました。
▼講義②
「コミュニティを育てる不動産運営」((株)まめくらし 宮田サラ)
二人目は、JRの社宅をリノベーションした「高円寺アパートメント」の運営を担っている㈱まめくらしの宮田。
リノベーションされた旧JR社宅をいかにして住人たちのコミュニティが生まれ、地域内の人も集う素敵な場所へと育っているのか、その運営手腕の秘訣に迫りました。
▼講義③
「まちの未来をつくる不動産仲介」(宅地建物取引士 鹿島奈津子)
最後は、風呂なし物件専門の不動産仲介サイト「東京銭湯ふ動産」を運営する鹿島。
「風呂なし」というディスアドバンテージを逆手に取り、「風呂がないんじゃない、銭湯があるんだ」という逆転の発想で、所有者と入居者をつなげてきた宅建士ならではの視点で、物件を生まれ変わらせるポイントを学びました。
「人や物事が上手くマッチングできれば、古い物件でも活用できそう!」
「風呂ナシを銭湯つきにするなど、マイナスをプラスに変える発想の転換が良かった。」
「地方の具体的な事例を見て、希望が湧いてきた。」
など、参加者から嬉しい感想をもらえました…!!
具体的な事例と登壇者のアツい思いが伝わり、ぐっと空き家活用への期待や想いが高まった前半となりました。
【見学会】~小杉湯となり“はなれ”へようこそ~
講義が進み、参加者の空気も次第に熱を帯びてきたところで、「小杉湯となり」のサテライトスペースである「はなれ」の見学会を実施しました。
「はなれ」はまさに古民家活用の好事例であり、家に愛着を持って手をかけることで良さが出てくることを実感することができます。
古民家にしか出せないその美しい佇まいに参加者からも感嘆の声が漏れます…!
古民家でしか出せない味わいを堪能しつつ、参加者が「それでは自分が所有している物件だったらどんな活用ができるだろうか」という考えになってきたところで、その場で参加者の「お悩み相談会」に移りました。
【お悩み相談会】
参加者それぞれのお悩みを聞いている中で、ある一つの共通の問題点を抱えているように感じました。
それは「自分一人ですべて実行することの限界」です。
空き家の活用を検討するオーナーは、基本的にはすべて一人で動かなければならず、孤独との闘いとなることが多いようです。
ご参加者の中には、空き家の活用に奔走するも不動産会社に見放されるような場面を経験された方もいます。
そしてこのディスカッションを通して、特に印象的だったのは、「同じ悩みを持つ者同士が少しずつ距離を縮めていく姿」でした。
参加者の中には、会話が盛り上がりすぎて参加者同士で連絡先を交換されていた方もいらっしゃるほど。
実際にこの勉強会に参加のメンバーでは「プロジェクトチーム」をつくって一緒に空き家活用を進めていくことに!
「それぞれの空き家を見学しにいきたい」という意見も飛び出たことで、次回は、それぞれの空き家を見学しに行き、どんな活用ができそうかワークショップでアイディアを出し合うことになりました。
当初想定した以上に参加者同士の横のつながりが醸成されたことに驚きつつも、その姿に胸を打たれる時間となりました。
これからの「小杉湯となり不動産チーム」
空き家活用勉強会は今後も継続的に開催していきます。
(次回の開催は現時点で未定です)
また、勉強会以降も「小杉湯となり不動産チーム」への相談や、見学会・アイディア出しなどをサポートし、具体的な動きに繋げていきます。
高円寺に空き家をお持ちの方はぜひご連絡くださいね!
文:太田知世・秋山晋吾