小人を連れて旅に出よう② プラハ→ウィーン
プラハからウィーンまでの移動は列車を予約していました。ホテルからプラハ駅まではタクシーを予約していて、プラハ駅で少しゆっくりしようと思っていたのですが…時間になってもタクシーが来ない。
ホテルの人がどうにか連絡してくれて、どうやらめったにない渋滞が起きていて遅れているということがわかりました。
30分ほど遅れて到着した運転手さんは、我々の乗る列車の時間が迫っていることを知り、ほんまに通っていいんかいなという狭さの旧市街を爆走してくれ(歴史的な建物の壁スレスレを通った)、かなりのショートカット。すごい!
しかし、駅までの高架道路に合流するときに、きっとこのタクシーがさっきまでいたであろう渋滞にはまってしまったのです。ここが運の尽き…かというところで運転手さんから聞かれます。
「荷物が多いのはわかっている。だから、駅のエントランスまで運んでやりたい。でも、そこに行くにはこの渋滞に並び続けなければならない。そうすると、確実に列車に乗ることができない。駅の裏側に公園がある。その公園の入り口で下ろしたら、荷物を持って公園を走ってくれるか?それならば、なんとか間に合う。
"No problem."か、"Yes, problem!"か
どっちだ!?」
なんて、かっこいい質問…
母に訳して伝える間に、運転手が握るハンドルは"No problem"のほうに切られ始めていたので、ええいっ!公園を走ってやるわいと、力一杯"No problem"と答えました。
チップを多めに弾み(持てる限りのチェコ通貨)、ワイルドな運転手さんに別れを告げ、大荷物を携えて公園を爆走。タクシーの中で確認していたホームへと急ぎます。
あろうことか、国際特急のホームは一番端でした。いま考えれば、タクシーがゆったり停まれる駅の正面エントランスから一番近いところが国際特急のホームであるのは当然ですが、あの時は「なんでやねん!?」と思いながら駅構内を爆走。
ホームに着いたのは出発のわずか1分前でした。ふー!
列車のなかではわずかに元気の残っていた母が食堂車で買ってきてくれたグリーンカレーを食べました。
到着したウィーンではホテルまでのタクシーで珍しくぼられさらに疲れ、チェックインしたホテルの部屋の鍵の開け方が難しくてまた疲れ…
ホッとしたのは、素敵なカフェ、シュペールであったかい夕飯にありついたころでした。
次回「開脚する人が見たウィーン」へ続く