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42.195キロを走る! 夜の新宿で”一人フルマラソン”をやった話。怠け者気質な大久保公園の女たちに、頑張るってのがどういうことか見せつけてやろう

※この記事は、10月23日に書きました。


 去年だったか、週刊誌の「大久保公園特集」に、一人の“オジ“の行動が紹介されていました。

 何でもそのオジは、売春の女たちを買わずに眺め、自分との立場の比較ってのをよく行っているんだとか。

「この子らは、楽して稼ぎたいをベースにキホン自堕落な生活を送っている怠け者人間。対してこっちは、しがないサラリーマンだけどまっとうに働き、キホン頑張り続けている真人間。どっちが偉いかは言わずもがなだよね?」ってな感じで。

 後ろ暗いウォッチングだとは思います。たぶん一般的にはキモがられる行為でしょう。

 でも、おれは共感できました。だって述べられている道理、100であってるから。

 なので先週10月18日、おれは突飛な思いつきから、その比較ウォッチングのやり方に自分なりのアレンジを加え、大久保公園の立ちんぼを眺めてみました。

 どんな気分になったのか? ちょこっと語らせて下さいませ。

 その日、夜7時でしたか。日課のランニングを行うべく、新大久保の駅前を出発、新宿方面へ向かって走っていました。

 2、3分後、歌舞伎町が見えてきたあたりで、自分の中に一つの気分が湧き上がってきます。そう、それが、その比較ウォッチングをマネしてみようという思いだったんです。

 大久保公園に到着すると、スマホを取り出し、起動させていたランニング記録アプリを一時停止。周囲を見渡します。

 いつもどおり、売春の女たちがわらわら立っています。さっそく、自分の立場と比べてやろうっと。

 近くにいた数人の立ちんぼをじーっと眺めます。

 ふむ、ふむ、ふむ…。

 自分の内面に集中します。が、気持ちをなかなか悦に浸る域にまで持っていけません。

 この比較ウォッチング、けっこう難しいなぁ。どうすれば上手くメンタルコントロール出来るかしら?

 じーっと考えます。さらにじーっと。

 そこで頭に浮かんで来たのは、こんな考えです。

 もしかしたらおれ、自己肯定感が低いのでは? 実際、社会的に誇れるような仕事をしているわけでもないし、もちろん金持ちでもないし。自分で自分のことをあまり評価していないから、気持ちが「立ちんぼよりも、おれのほうが偉いんだ」へドライブしていかないのでは?

 今、ここでどうにかし、自己肯定感を無理矢理にでも上げることが出来ないかしら? 手っ取り早く、自分で自分のことを立派だと思えるようになるには…。

 ゴミ拾いでもする? …弱いなぁ。

 ホームレスにオニギリでもやる? …うさんくせぇよなぁ。

 考えを巡らせていると、一つアイデアが。

 そうだ、一人でフルマラソンをやるのはどうでしょう?

 目指すは42.195キロ!

 もちろん、かなり大変です。そんな距離、走ったことないし。

 でも、だからこそ、やり切れば自分自身を納得させられるはず。自己肯定感も跳ね上がるんじゃないの。

 気持ちはどんどんそっちへと向かいます。

 ここはもうやってやるぜ。スマホの画面をポチっと押し、ランニングを再開。

 さぁ、頑張ろう。

 決めたルートは、来年1月に出場予定の「新宿シティハーフマラソン」のコースを2周です。走りを終え、再び大久保公園に戻ってきたとき、おれはどんな気持ちになっているのやら?

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