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『軍艦マンション』が、今年中に取り壊されるらしい。みなさんは、東新宿の珍スポットをどうやって未納めますか?

 歌舞伎町の北側を走る職安通り沿いの、東新宿駅のそばに、特異な外観の大きなビルが建っています。

 通称「軍艦マンション」

 池袋の北口の”白い塔”のごとく、ずーーっと前からあって、見た目が変わっていてデカいんで目には留まっているんだけど何かよくわからない建物、多くの方の認識はそういう感じでは。

 かくいうおれも、軍艦マンションのことは、よく知りません。

 知っていることと言えば、去年8月に閉店した歌舞伎町の立ち飲み屋「とまり木」の店長だった、元ヤクザの古庄正裕会長(70代)と、いつだったかしゃべっているとき、会長が

「むかし、軍艦マンションの最上階を借り切って、事務所置いてたよ」

 と言ってたこと。

 現在の話だと、全国に店舗を構える謎解き体験ゲームショップ「リアル脱出ゲーム」の東新宿店が、3階の「301」「302」と4階の「401」を借り、その3部屋で連日、1日に4回もしくは5回、決まった時間にゲームを開催しているってこと。

 それくらいで、特に興味もなかったわけですが…。

 この1月、知り合いのライターのI君が、こんなことを言ってきました。

「仙頭さん、今年2024年中に、軍艦マンションが取り壊されるそうですよ」

「そうなんだ。まぁあのビル、だいぶ古そうだしね」

「noteのネタにしたほうがいいんじゃないですか?」

「そうねぇ…。でもおれ、あのビル、そんな興味ないし。それこそ、中で売春でも行われてたら取り上げたいけど。そうじゃないっしょ?」

 テンションの低い反応をしていると、突然、I君がべらべらとしゃべり出しました。

「軍艦マンションって、夜間と土日は、建物の入り口の自動ドアに、オートロックがかかってるんですけど。平日の昼間は、誰でも入っていくことができるんですよ。何ならそれ以外の時間も、『リアル脱出ゲーム』のゲーム開始時間に合わせて建物の前で待っとけば、脱出ゲームの客がやって来るだろうから、その人らに付いて行けばオートロックを突破できる。だから、こういう切り口はどうでしょう? 『2024年中に取り壊される! 軍艦マンションで遊べるのも今年まで。大久保公園で立ちんぼを買い、軍艦マンションの共用トイレへ向かおう!』、どうですか?」

 どうですか、じゃないよ。ダメに決まってるやん。いろんなとこからクレームが来るって。

  しかし、I君は食い下がってきます。

「ダメですかねぇ。でも現在建物内がどうなってるかくらいは、紹介したほうがいいと思うんですけど」

「んーー。てか、単なる建物紹介じゃ面白くないっしょ? そのへんの普通のメディアがやってくれてるし」

「ま、そうなんですけど、仙頭さんがやることによって、読者が深読みしてくれるというか、ここをどう楽しむか? どう大久保公園に繋げるか? そこを考えてくれると思うんですよ」

「だから、大久保公園と繋げちゃダメだっつーの」

「わかってますわかってます。ま、とにかく、どう読むかは読者にまかせることにして。フツーのリポートを載せましょうよ。ぼく、書いてあげますから」

 ま、そこまで言うなら、お願いするとしますか。

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