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亡くなった人間はもう帰って来ないから…。湿っぽくあーだこーだ語るより、あの子が天国から笑ってくれそうなバカ騒ぎをやってやるほうがイイんじゃないかな。おれたちなりのお見送りです。

 この9月、歌舞伎町にて若者の投身自殺が立て続けに起こりました。テレビ報道なんかもされていましたから、読者のみなさんもニュースを目にされたんじゃないかと。

 実は、亡くなった人間の一人は、過去にこのブログの記事にも登場してくれたトー横キッズでした。その記事ってのは、

――トー横キッズに市販薬を用いた酩酊遊びのヤリ方を教わり、そうやってキメた状態で、歌舞伎町タワーのゲームコーナーのVRアトラクション『エヴァンゲリオンVR THE 魂の座 : 暴走』を楽しもう――

 という体当たりリポートだったわけですが…。

 昨日、その体当たりリポートをやってくれたライターのI君としゃべっていたところ、こんな会話になりました。

「おれ、一応、交流があった人間が亡くなったわけだし、何かしらお悔やみ記事みたいなのを作りたいと思ってんだよね」

「どんな内容を考えてるんです?」

「うーん、それなんだけど…」

 作りたいという気はあるものの、切り口の持って行き方に難しさを感じていました。なにせ出来事が出来事なわけだし。

 すると、I君からこんな意見が。

「ぼく、もし自分が死んだとして、そのとき、自分のことを知ってる人間にどういうふうに話題にしてもらいたいかって考えると、やっぱ湿っぽいのより、明るく見送ってほしいとかはあるかもです。バカ話でもしてよ、天国から笑ってるからさ、みたいな」

 なるほど、とおれは思いました。自分自身、いつかこの世を去ったときは、そうしてもらいたい気がするし。

 かくして、会話はその意見のほうへと進みます。じゃあ、切り口はそうするとして、具体的にどんな記事を作れるでしょう?

 考えを巡らせていたとき、歌舞伎町タワーのゲームコーナーのホームページに記されていた、一つの情報に目が留まりました。

 何でも、2ヵ月前の7月より、新しいVRアトラクション『VRゴジラ』ってのが導入されているようです。

「I君、これじゃないの。あの子から教えてもらった酩酊遊びでキマった状態で、この新しいVRゴジラをやり、それをリポートする。どうだろう、あの子は天国から笑ってくれるんじゃないかな?」

「いいかもしれませんね!」

「じゃあ、さっそくお願いしていいかな?」

「任せて下さい!」

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