君の魂の指導理性であり支配者であるところのもの
「君の魂の指導理性であり支配者であるところのものは、君の肉の中に起る剛柔の動きに、泰然自若としていなくてはいけない。このような動きにはかかりあわずに孤立し、欲情は肢体の中にとじこめておくべきである。しかし〔他の〕交感性があるために、一つの体である以上当然考えられるように、欲情が精神の中にも昇って行くときにはその感覚は自然のものなのだからこれに抵抗しようとしてはならない。ただし君の指導理性はこれが善いとか悪いとかいう意見をみずから加えぬようにすべきである。」(マルクス・アウレーリウス(121-180)『自省録』第五巻、二六、p.86、[神谷美恵子・2007])