声優の交代に正解は無いけれど
ドラえもんから考える声優交代劇
交代した当初は、確かに私も反対していました。今から20年ほど前に交代されていたので、私が高校生ぐらいの時でしょうか。
流石にもうレギュラー放送回を見てはいない世代だったのもあり、『ドラえもんは大山のぶ代しかあり得ないよなー』と友人たちと語っていた事こそあれ、のび太やジャイアンたちも一斉に交代したので、ドラえもん以外は止むなしかなと思っていました。
と、考えるのはあくまで当時の私であって、今現在の私とはというと、交代してくださっていてありがとうございます。
という思いが強いです。
何故か。お別れするにあたって、心の準備ができるからです。これって凄くありがたい事だと思うんです。
ちびまる子から考える声優交代劇
例えば友蔵の声優の青野武さんなんかも、確かお亡くなりになられる少し前に島田敏さんに交代されていますよね。
闘病による交代だったので、こちらもスムーズ。
だけどTARAKOさんのご逝去には、やっぱり喪失感が拭えなかった。今の方がどうこうじゃないんです。突然逝かれるのは、それこそ心の準備というところが出来ないんですよ。
年齢的にまだお若いというのもあるし、病死や事故死というのは本当にせつない・・・。
ルパン三世にみる声優交代劇
声優交代に関して、最も世の中で物議を醸したのが、このルパン三世かドラえもんなんじゃないかと私は思っています。
山田康雄さんから栗田貫一へ。当時のクリカンは、ルパンのモノマネ芸人として人気を博していました。
山田さんの急病により、急遽代役として立ったクリカンに対しては、賛否両論の声があったと記憶しています。
当時幼かった私としては、『演技』というものも分からないし、山田さんとクリカンを『聞き分ける』ことも出来なかった。
それが幸いして私はクリカンルパンには好意的解釈をしていました。
ただ大学生からオタクを初めて、過去作に遡った時に、山田康雄さんのルパンがいかに自由でセクシーであるかというのは確かに感じました。
一方で、クリカンのルパンはシリアスな部分では私は山田さんに引けを取らないと思っています。
最近のシリーズでいうと、峰不二子という女や次元大介の墓標、血煙の石川五右衛門あたりの演技は、私はとても好きでした。
だから今も昔も、私は栗田貫一のルパンに不満はないんです。オールドファンが『山田さんが良いんだ!』というのは分かるんです。
でも、『モノマネ芸人が役者をやるべきではない』と未だに言い続けている人は、今のルパンを見ていない証拠です。
ちなみに私が最も違和感を覚えているのは、銭形のとっつぁんです。演技どうこうじゃないんです。山ちゃんに演技部分で貶すところなんか無いですから。
でも私はとっつぁんには合わないなと思っています。
一方で次元は満点回答でした。
らんま1/2にみる声優交代劇(?)
当時のオリジナルキャストでリメイクされることが発表された本作。原作のどこまでをリメイクするのかは分からないんですけど、当時の漫画本にしては結構な長編だったと記憶しているので、全編やるのだとしたら結構な年月がかかると思うんですよね。
私はこういう作品に当時のキャストさんを起用するのには反対です。これが1クールで終わるんです。とか、OVAで1回限りの復活!とかだったら大歓迎です。
でも上で挙げたとおり、歳月をかけてフルリメイクしていくのだとしたら、嫌ですね。
山口勝平とか林原めぐみ御大あたりは、未だに第一線で活躍されている声優さんだと思いますし、声を張らない演技は見事だと思います。
でも叫ぶシーンとかね、ちょっともう声出てないじゃん・・・って思っちゃうんですよ。
50代60代の人たちが、10代のキャラクターたちを演じるのは無理があると思うんです。
病気や急逝による急なキャスト変更は無いように思う年代ですけれども、純粋に声優として年相応のキャラクターを演じていただきたいなと思うんです。
ドラマなどの実写に比べてそこの自由度が高いのがアニメーションのウリの一つではあるかもしれないけれど、やっぱり全盛期ってあると思うんですよね。
日高のり子と17歳教教祖は外れ値
つらつらと書いてきましたけど、いかがでしたでしょうか?
私は全体的に声優のキャスト変更に肯定的な見方をしています。特にご長寿アニメと呼ばれる作品はね。
近年でいえばしんちゃんが一番綺麗な交代劇だったなと思います。矢島さん自身は声優のお仕事を辞めることはなくて、でもしんのすけの声を保つ事が難しくなったから降板すると。
良いと思うんです。
きっと遠くない将来でいえば、某金髪化するバトルアクションアニメだって交代がきますよ。
本当に寂しい事ではありますけど、突然いなくなられるよりは、私は全然良いと思うな・・・。
また新しいキャストの皆さんも、しっかりとそれぞれのキャラクターが声を吹き込まれた事により与えられた命や質感というものを、必死に繋ぎ止めようとしていたり、自分なりの解釈にしてみたり、前任者に対するリスペクトを最大限感じながらされているんだという演技は、やっぱりグッとくるものがありますよ。
新しい方々も試行錯誤されています。是非応援しましょう。