秋の夜長に。「読んだよチャンネル」と共に、積本を越えていこう
お昼の方も夜の方も、おはようございます。
sentenceコミュニティライターのたかはしです。
読書の秋。
突然ですが、最近本を読めていますか?
「書く」と「読む」は表裏一体。
さまざまな分野の幅広い知識や、センスの光る粋な言葉選びは、豊富な読書経験によってもたらされます。
僕も文章を書く中で、己の読書量の少なさを痛感するばかり。
テーマは決まっているけれどそれを書くための知識が足りない、この状況を表現するのにぴったりな言葉がどうしても見つからない、なんて時にはいつも「もっとたくさん本を読まないとな......」と切に思います。
けれども、人間の意志はアテにならないものです。
忙しかったり、ついダラダラしてしまったりで、やる気はあるけどなかなか本が読み切れないのはあるあるですよね。
にもかかわらず、本屋に寄ればその場の勢いで何冊も買ってしまう。
1冊の本を読み切るうちにその何倍もの数を新たに買ってしまい、気づけば本棚は手付かずの本でいっぱいに......。
なんて経験、身に覚えはございませんか?
「書くと共に生きる」人たちが集まるsentenceでも、同じような悩みを抱えた人たちが大勢います。
今回はそんな「積読が一向に減らない問題」を解決すべく、sentenceで今年から新たに行われている取り組みについて、紹介させていただきます!
「読んだよチャンネル」ができるまで
きっかけは、今年の4月。
sentenceでは、毎月末に「横丁」とよばれるコミュニティメンバー同士の交流イベントが開催されています。
GWを間近に控えた4月の会も、メンバーが持ち寄ったよもやま話に花が咲き、気が付けば話題は「最近読んだ本・読みたい本」の話に。
文章術の本や最近一気読みしたマンガ、さらにはフードエッセイなど、ジャンルごった煮のおススメ合戦に、場は大いに盛り上がりました。
みなさんイチオシの一冊が出そろったところで、sentence運営の中川さんがふいにこんな一言を漏らしました。
「やっぱ、積読解消してかねばですね」
やはり皆さん、同じような悩みを抱えていたのでしょうか。
この発言に呼応するように、次々と共感の声があがります。
「みんなで積読を、1cmでも解消していきましょう!」
「色んな人が『読んだよ!』ってなったら、モチベーションになりそう」
「読んだら投稿、みたいな場所が欲しいですね」
sentenceには以前から、メンバーがそれぞれ執筆したものを投稿・共有する場所はあったのですが、一方で読んだ本・読みたい本をシェアする場所はありませんでした。
「よき書き手であるためにはまず、よき読者であらればならない」とは古賀史健さんの弁ですが、“佳き”書き手を志すsentenceのメンバーには本好き・読書好きが大勢います。
「誰かが感想とかつぶやいてたら、その本が気になると思う」
「似たような本を読んでいる人がいたら、親近感が湧く」
「憧れの人が読んでいる本を知れたら嬉しい」
「ずっと前にお薦めいただいた本を読んだけど、まだ報告できてない」
皆さんの本音を一つ一つ吸い上げて、そのままの勢いで出来上がったのが……
この「読んだよチャンネル」です!
「読みたい本や記事の宣言をしたり、読んだ本や記事の感想を投稿するチャンネル」という説明文に全てが集約されています。
積んで、読む。至ってシンプルです。
言ってしまえば「飲み会のノリ」から生まれたチャンネルなのですが、よちよち歩きの時からたくさんのメンバーに活用されています。
今から、その一部をお見せしましょう!
1.ライティング・文章術関係の書籍
sentenceではライターや編集者として仕事をしている方が多く、そのこともあって文章術など「書く」にまつわる書籍の投稿がとても多いです。
画像で紹介している近藤康太郎さんの『三行で撃つ』のほかにも、古賀史健さんの『取材・執筆・推敲』や、田中泰延さんの『読みたいことを、書けばいい。』など、複数の方がさまざまな文章本を読んでいます。
共に学ぶ仲間の存在は励みになりますし、他の人の投稿から良い教材に巡り合えるかもしれませんね!
2.小説・マンガ等のフィクション作品
「書く」にまつわる本以外にも、小説やマンガを読んだという報告もよくみられます。
ルネサンスの古典から悪役令嬢転生ものまで、古今東西あらゆるジャンルのフィクション作品が挙がっています。
自らの頭の中からひとつの世界を創り出す作家・小説家は、いわば表現の魔術師。物語を楽しむだけではなく、偉大な先人たちの紡いだ物語から学ぶことはとても多いです。
メンバー間で小説やマンガをおススメし合ったり、複数のメンバーが同じ作家の本を読んだりなど、本を通じた交流のきっかけにもなるかも?
3.Web記事・ツイート
「積本解消」を目的に生まれたチャンネルですが、何も読むのは本でなきゃいけない、なんて決まりはありません。
とあるメンバーさんは、宇野常寛さん主催の「遅いインターネット」に投稿された一記事をシェアされています。
リンクを掲載すれば他の人もすぐに読めるのが、紙の本には無い利点ですね。
Webメディアの記事以外にも、Twitterの投稿などがシェアされています。
紙の本よりも手軽に読み終えられる分、活字に苦手意識のある人でも気軽にシェアできそうです。
4.読んだ本の感想文を投稿
最後に、「読む」から「書く」につながったケースをひとつ。
メンバーのCHIHIROさんは、黒川伊保子さんの『息子のトリセツ』を読んだ感想を自身のnoteに書き、シェアされています。
読んだものの感想を書いてみると、「読む」と「書く」が密接につながっていることを実感できます。
もちろん、すべての読書がでアウトプットを前提にする必要はありませんが、「読んだものについて書いてみる」ことで、その本への理解はもっと深まるはずです。
この記事で紹介したほかにも、さまざまな読み物が「読んだよチャンネル」では日夜シェアされています。
何かを続けるにあたって、個人の意志はなかなかアテにはなりません。
ですが、成果を周りに報告し、そのたびポジティブな反応をもらっていけば、続けることのハードルはもっとずっと低くなるはずです。
「書く」の土壌を育て、より深みと広がりのある文章を書くためにも、皆さんもどんどん積んで、読んでを繰り返していきましょう!
そんな僕も、本を読み切った時にはいつも「読んだよチャンネル」で報告しています。
きっと読書量も、前よりグンと伸びているはず!
伸びて......アレ?
(読書量が、むしろ減っている......?)
読書は自分のペースで、楽しく続けていきましょう。
そして、本屋では買いすぎに注意しましょう。
それでは、また次の機会に!
本編で紹介された読みもの
<この記事を書いた人:Marfyさん>
会社員として働きながら、ライター目指して修行中。関心領域は人文・社会科学、街/地域、野球(MLB)など。好きなものは卵かけご飯と不二家ネクター。noteにて書店探訪記『本屋での本の買い方』更新中。(不定期)
note: https://note.com/marfy_123610
Twitter: https://twitter.com/marfys_workshop
編集:西山武志、sentenceメンバー
アイキャッチ写真:Cleveland Museum of Art CC0 Images