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自分発の企画や記事をメディアに採用してもらうには?「初めての記事持ち込み体験記」&sentenceの活用術

この記事にたどり着いたライターの方々に聞いてみたいのですが……みなさんはいつもどんな形で仕事を得ているのでしょうか?

私は、ライターの仕事の生まれ方は、大きく二つのパターンに分けられるのかなと考えています。

一つは、人から依頼される形です。メディアや運営会社にライターとして契約や登録をして記事を書いたり、SNSや知人を通じて仕事を依頼されるのがこれにあたります。

そしてもう一つは、自分で記事を企画・執筆して営業し、媒体に記事を持ち込み、採用してもらう形(寄稿)です。

――申し遅れました、私はライティングコミュニティ「sentence」でコミュニティライターをしているりんごです。現在ライター歴が4年ほどですが、昨年はじめて「記事を自分で持ち込んで、媒体に採用、掲載してもらう」という経験をしました。

このnoteでは、どんな流れで持ち込みの企画を進めたのかを記すとともに、sentenceでの経験が今回の仕事にどう活きたかを書いていきます。「憧れの媒体に記事を持ち込んでみたい!」「自分が書きたいことをベースに、ライティングの仕事を能動的につくっていきたい」と思っている皆さんの参考になってくれたら嬉しいです。

sentenceのコンテンツもご紹介していきますので、sentenceに興味のある方や、会員で実践的なコンテンツの活用方法を知りたい方は、どうぞ最後までご覧ください。

<企画編>

企画を思いついたきっかけ プレスリリースをもらって

2021年9月上旬、以前とある媒体で取材に協力していただいた方から、「10日後に公開予定の映画のプロデューサーが舞台あいさつに来る」と、プレスリリースをいただきました。取材時間を1時間確保することができ、インタビューすることも可能だと、合わせて伝えてもらいました。

せっかくそんな機会がいただけるのならば、そこで伺った話を記事にしたい。そして、私がふだん記事を書いている地元メディアに限らず、もっと広く多くの人たちに見てもらえる媒体に掲載してもらいたい、と思いました。そこから「全国的に知名度のある媒体に、この映画プロデューサーのインタビュー記事の企画を持ち込んでみよう」と動き始めました。

挑戦するか? 不安と意欲とのはざまで

インタビュイーはエンタメ界の第一線で活躍する人たちです。その肩書きや経歴を見て「私にこの人たちへの取材ができるのだろうか」という不安が大きくありました。挑戦したい気持ちはありながら、未知のものへの漠然とした不安があったのだと思います。しかし、その揺れ動く気持ちを友人に聞いてもらい、「ぜひ挑戦を」と背中を押してもらいました。友人の言葉を胸にプレスリリースを読み込むうちに、いつしか不安は意欲へと変わっていきました。

sentence活用方法①
Slackの「お悩み相談室」チャンネルを活用したり、Notion経由で運営メンバーだけに相談したりすることができます。もちろん業務上の守秘義務に関わる情報は漏らさないことが前提ではありますが、会員や運営メンバーがあたたかく応援してくれますよ!
あるいはSlackの「ぺちゃくちゃ」チャンネルでつぶやいてみたり、挑戦すると決めてからは「書きます宣言」チャンネルを活用したりして、自分を鼓舞してみるのもいいかもしれません。

事前リサーチ 準備できることはすべてやる

映画の公開日はまだ先で、事前に余裕を持って映画を鑑賞できるわけではありませんでした。その前にできる準備として、できることはすべてやりました。具体的には、映画や制作に関わっている人たちに関する記事ですでに出ているものを探し、読み込みました。また、映画にその関わっている人たちのSNSに書き込まれている情報もできる限り追って、「普段どんなことを考えている人なのか、その人にどんな話を聞いたら盛り上がりそうか」と想像を膨らませました。

sentenceでは「VIEW OF INTERVIEWERS」というイベントが繰り返し行われています。ゲストであるプロのインタビュアーがインタビューする様子を垣間見れるというイベントなのですが、以前そのイベントを視聴したときに、ライターの先輩方が徹底したリサーチをしていることを感じたことも影響していました。

sentence活用方法②
ふだんからVIEW OF INTERVIEWERSに限らずsentence主催のイベントに参加しておくと、先輩ライターさんのプロ意識から学ぶことは多いです。忙しくて参加できないという人も、SlackやNotionに順次コンテンツがストックされていくので、ぜひチェックしてみてください。

企画書の作成 「なぜ私が」この企画をするのか

媒体に企画を持ち込む事前準備として、記事の企画書を作成しました。企画書は何度も修正を重ねました。「なぜこの記事を企画するのがほかでもない私なのか」を掘り下げるのに時間を使ったことを覚えています。ここを丁寧に行い、その上で想定読者を設定し、想定記事内容(インタビュー内容)を組み立てていきました。

<取材編>

映画鑑賞 満を持しての鑑賞だったけれど…

自分の中で「やれることはやった」という思いで当日を迎えました。翌日に取材することが念頭にあるため、ただ観るのとは違った、気持ちとしては少し落ち着かない映画鑑賞となりました。できれば二回観たいところでしたが、都合のため一度しか鑑賞することができず、そのまま次の工程に移ることとなりました。

質問項目の練り直し、インタビューの準備

想定してはいましたが、映画を実際に観てみると想定していた質問内容を変える必要性が出てきました。そのため改めて質問項目の練り直しを行いました。何度練っても「これで聞きたいことが聞けるだろうか」「読者に伝わる記事が書けるだろうか」という不安が根強くありました。

インタビューの準備としては、過去に行われたVIEW OF INTERVIEWERSの文字起こしを見て、先輩が行っているインタビューの入り方を参考にしました。具体的には、VIEW OF INTERVIEWERS vol.2のゲスト・土門蘭さんのインタビュー文字起こしを見て、まず自分が自己紹介や趣旨説明をしたあとに、インタビュイーの言葉で自己紹介をしてもらうという手法を取り入れました。

sentence活用方法③VIEW OF INTERVIEWERSとは
一人のインタビュイーに対して、複数のインタビュアーがそれぞれインタビューを行い、その様子を公開するイベントです。ふだん他の人がインタビューする様子を見る機会はなかなかないので、とても勉強になります。
自分にも取り入れられそう、取り入れたいと思うことがあったら、ぜひ会員有志が作成した文字起こしを見てみてください。自分がふだん行っている方法と比較すると、より学びが深くなります。

取材当日 不安や緊張を意気込みに変えて

Slackの「書きます宣言」チャンネルで宣言することで、取材に対しての不安や緊張を程よい意気込みに変えることができました。ネガティブな感情はひとりで抱えていると増幅することもあるので、紙に書いたり、こうやってsentenceのようにコミュニティの仲間や友人に聞いてもらうことで前向きな気持ちへと変わっていきます。

本番では、上記の通りインタビューの準備を丁寧にしておいたおかげで、あまり話すことが得意でない私でも、スムーズに過度な緊張をせずにインタビューを始めることができました。インタビューに入るときのルーティンを持っているとよいのかなと感じました。

sentence活用方法④
取材に行くとき、構成を立てるとき、原稿を書くとき、Slackの「書きます宣言」で宣言をしてみてはどうでしょうか。自分で自分を鼓舞することでスイッチが入ります。また他の人からスタンプで反応をもらうことで、孤独感を解消することもできます。

<執筆編>

いざ執筆 コミュニティライターの経験をいかして

文字起こしをしながらどんな構成にしようかあたりをつけていきました。文字起こしが終わるころには読者に伝えたいことや感じてもらいたい読後感が決まっていました。

ただこの時点で掲載先が決まっているわけではありませんでした。なので、最後まで文章の形式を迷っていました。どういうことかというと、インタビュー記事にするのか、エッセイにするのかをだいぶ考えました。プロデューサーのお二人の話から学んだことが大きかったので、それを届けたいとインタビュー記事にすることに決めました。

文字起こし、構成、執筆すべてにおいてsentenceでのコミュニティライターとしての活動がいきました。恥ずかしながら私はsentenceに入るまで構成ひとつ書いたことがありませんでした。大変だったけどあの経験をしていてよかったと心から思います。ライターとして実力をつけるには、フィードバックをもらいながら実践を積み重ねることだと個人的に思います。

sentence活用方法⑤コミュニティライターとは
隔週月曜日の夜更けにコミュニティライター会議が開かれています。sentenceのイベントレポートなどの執筆を通してライター力に磨きをかけていく実践としての学びの場です。労力や時間をかけた分、実力が身につきます。sentenceの一番おいしい部分、だと私は個人的に思っています。

<営業編>

①企画書での営業 お問い合わせフォームから

以前sentenceで行われたキャリア相談会で、ゲストとして登壇されていた方が「ライターを募集していない媒体でも、お問い合わせフォームから企画を送ったことがある」とお話しされていました。それを思い出し、まず自分がふだん読んでいる媒体を中心に、企画内容や想定読者と媒体の掲載記事が合うと私が感じる媒体に企画書を送付しました。

この時点では媒体からの返事はありませんでした。ショックを受けなかったというと嘘になります。「掲載してもらえる媒体が見つからなかったらどうしよう」という不安を抱えたまま、同時並行で執筆も進めていました。

sentence活用方法⑥キャリア相談会とは
ライターとしてさまざまな分野で活躍しているゲストをお招きし、自由にキャリアの相談ができるイベントです。これまで東京と秋田で活躍する編集者・ライターの庄司智昭さんやフリーランスライター・ブックライターの岡本実希さんなどのゲストが登壇され、4回開催されました。お悩み内容はライターとしてのキャリアにまつわるものなら何でも構いません。

②執筆後、原稿での営業 返事がこなくてもへこたれない

Slackの「お悩み相談室」チャンネルで持ち込み記事の寄稿先の探し方を相談しました。

  • キーワードでメディアを検索

  • メディアをまとめたページから合いそうな媒体を探す

  • ふだん読んでいる媒体にもう一度アプローチ

  • 関心が重なっている知り合いが書いている媒体にアプローチ

の4つの方法で10媒体に連絡を取り、1媒体から採用の返事をもらいました。同プロデューサーがかかわった別の映画の記事を以前掲載していた媒体で、それが決め手となったようです。

私が連絡した10媒体の中で、掲載可の連絡をくださった媒体は一つ、掲載不可の連絡をくださった媒体は一つで、それ以外の媒体からは返事がありませんでした。毎日たくさんのメールが届く中、無名のライターがメールしたところで、なかなかレスポンスが来ないのは仕方のないことだと思います。

いい企画だという自信があるのであれば、心を強く持って、へこたれずに次の媒体を探すことが大事です。私の場合、すでに取材を終えて記事を書いており、取材相手のためにも掲載先は自分のnoteなど(それも最終的に考えていました)ではなく、絶対に大きな媒体にしたいという強い気持ちがありました。

もしこれを読んで持ち込みをしてみようという方がいたら、ぜひ強い心を持って根気強く掲載してくれるところを探してみてくださいね。

おわりに 書くとともに生きるために

企画をつくったり記事を持ち込むことは簡単なことではありません。私自身けっこう体力を使いました。しかし一連の流れを体験して、「またやりたいな」と思っています。

なぜなら、持ち込みこそが自分の書きたいことを書いていくための一つの方法だと実感したからです。SNSのフォロワーが多い人は別ですが、すでに多くの読者がいる媒体で記事を掲載してもらうことで、自分のnoteやブログに載せるよりも多くの人の目に触れます。自分の書きたいことが決まっている人はぜひ企画や記事を持ち込んでみてはいかがでしょうか。

私がsentenceに入会して1年半ほどが経つのですが、こんなふうな「書くこと」にまつわる悩みや挑戦したいことがあったときに支えてくれるコミュニティがあって、心からよかったと思っています。今後もコミュニティ内にストックされているさまざまなコンテンツをできる限り活用して、ライターとして活動の幅を広げていけたらと考えています。

sentenceに興味を持ってくださった方はまず一ヶ月お試し入会してみてはいかがでしょうか。会員の方にとってもコンテンツ活用の参考となることを願っています。

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