薄い文庫本を作った話3
課題は出揃い、疑問点もそこそこ把握した私は、疑問を埋めていくことにした。
・自分の原稿が何ページのものになるのか
・ところで一頁の構成って何行で何字なの?
・紙が全然わかんない。見本でも見ないと何が適正かわからない。
・表紙のデザインてwordでもできるの?
④wordに原稿を落としてみる
自分の原稿が何ページになるのかについては、とにかくwordに落とし込む作業が必要だと思った。
かき集めても短歌は50首ほどしかない。
図書館で借りた歌集は、1頁5首~3首程度。最初は1頁1首も考えたが、紙の無駄遣いと言われそうで1頁2首が妥当だろうと考えた。のちにこの形式は相聞歌にふさわしいと気が付き、対になるように配置を工夫することになる。
短歌だけだとA6で40頁程にしかならない事がわかり、すこしげっそりした。
そこで、pixivで書いていた小説も入れることにした。完全にページかせぎでしかないないが、本を出したい日がすでに決まっていたため、グダグダ言ってもいられない。
⑤ところで1頁の構成って何行で何字?
内容はともかく、小説はいつの間にか10,000字程度書いていた。
手持ちの新潮文庫(谷崎潤一郎/少将滋幹の母)が19行×30字だったので、それを参考にざっくりと落とし込んだところ、60頁程度になることが分かった。
市販の薄めの文庫(芥川龍之介/ある阿呆の一生)が120頁くらいであると知っていたので、短歌と小説があればなんとかなる、と直感した。
⑥紙が全然わかんない
同人誌を扱う印刷屋さんのサイトで、初心者に優しいというところを数件ピックアップして、紙の見本を請求した。
メールで「見本下さい」と住所を添えて送るだけである。
1週間くらいで各社から見本が届き、遊び紙やら表紙用紙やら特殊加工にいたるまで乗っている豪華な冊子が届いた。
そこでオンデマンド印刷のトナーの乗り具合やら、フォントの潰れ感なんかもはっきりとわかるようになって、見本の情報量の多さには感動した。
これがタダってすごくない?
⑦表紙のデザインってwordでできるの?
これも何度もググったのだが、そこそこの人がイラレもフォトショもないのに表紙を作っていることを知り、いけるんじゃないか?と急に強気になった。金さえ払えば作ってくれる人もいるらしい。
ここまでくると、もはやレールが見えてきて、せっかちな私は突っ走りたくて仕方なくなってくるのであった。
次回はけっこう辛かったword仕事について書いてみたい。