巡り合い。
6月のとある休日、蔵前を友人とお散歩した。
お洒落なカフェや雑貨屋さんが多くて、コーヒーが香る路地を歩きながら、ふいに現れる雑貨屋さんに引き寄せられるように足を踏み入れる。
歩いてるだけで癒される町だった。
そして見つけた本屋さん。
店頭の棚の一番上にあった絵本がぱっと目に入り、懐かしさのあまり「なつかしー---!!」と興奮しながら手に取った。
幼少期、母に繰り返し何度も読んでもらっていた、一番のお気に入りだった絵本。
20年以上ぶりに巡り合った。
幼き私の心に繰り返し刻まれたお話と、優しいタッチの絵に、懐かしい~~~~と、ギュッとなった。
”懐かしい”、という感情の本物を味わえた、気がした。
そして、改めて読むと、短いページ数と文字数の中で、子どもの人間関係の中での成長がちゃんと描かれていて、絵本ってすごいなあと思った。
帰ってから母に見せると、わたしと同じような反応で懐かしいねえと喜んでくれた。
そしてまた感動したのは、その数日前にNHKの番組で絵本特集がやっていたそうで(【NHK ドキュメント72時間 絵本専門店】てやつ)、母はその番組を見てこの絵本のことをちょうど思い出していて、探しに行こうかなんて考えていたらしい。
引っ越しの際に保育園に寄付してしまって、ずっと後悔していたから、また戻ってきて巡り合わせだねえと母と話しながら、もう二度と君を離さないよ、と強く思った。
巡り合わせの絵本。
たった一冊の絵本だけれど、幼き頃の母との絆を感じる、宝物。