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わたしの『生活改善運動』
安達茉莉子さんの書いた『私の生活改善運』(三輪舎)の感想。
「私の改善運動」とは、
タオルやシーツ、ゴミ箱、セーター、靴、
家具など具体的なモノから、
住居や仕事、人間関係など様々なレベルで、
自分にとっての幸せが何なのかを探り、
幸せに生活していくための具体的な行動をとっていく。(本文より)
読んだとき真っ先に思い出したのは、母のこと。
母は数年前から一人暮らしを始めた。
離婚や両親との同居を経て、人生の後半を目前に初めての一人暮らしを始めた。
戸建ての賃貸は、母の城そのもので
たくさんのグリーン、光が差し込む大きな窓、
こだわり抜いたソファーやラグ、
所々に趣味のアウトドアグッズ。
家具や家電、内装は計100万円以上したという。
以前初めて小学生の姪が訪れた際、
「なんだか雰囲気がすごくいいね。居心地いい。」と言っていた。
小学生にも「心地よさ」は分かるのか…と感心してしまった。
私が帰省するとき、ここ数年は母の家に泊まっている。
実家には18年住んだからそれなりに愛着はあるし、昔は祖父の家にもよく泊まったから思い出もある。
でもやはり「帰ってきたな」と実感するのは母の家で、
自分も確かに居心地の良さを感じていた。
私が初めて母の家を訪れた際も、初めて来た場所に感じなかった。
それ位、すべてにおいて「母らしい」と感じた。
その雰囲気にきっと合うと感じて、引越し祝いにBRUNOの電気ケトルをプレゼントした。
「いつもコーヒーを入れるのに使ってるよ」
と言われて、母の生活の一部に馴染んでいることを心から嬉しく思った。
母の家の空間について考えてみると、
ものすごく「生活」しているなと思った。
母は自分の仕事が大好きで、誇りを持って仕事をしている。
仕事は接客業であるため、お客さんにパワーを与える必要がある。
そのパワーを蓄えるのはやはり基盤である家で、
そこでいかにストレスなく、好きな物に囲まれて暮らすか、というのが大事ということを知っているのだと思う。
母は昔、仕事に関する悩みで投薬生活を続けていた。
頑張りすぎてしまう性格も相まって、気が張りすぎてしまっていたのだと思う。
もう若くもないので(「今がいちばん若い!」が口癖の母はこれを見たらきっと怒る)、
自分で工夫していかに「ごきげん」で最高のパフォーマンスができるかが鍵だということを悟った。
だからこそ「生」きるための「活」動に力を入れて、自分という存在をより良いものにしていくため、家の生活改善運動を行ったのだ。
母の空間には負けると思うが、私も今の自分の部屋を気に入っている。
私もまた、住むところでちょっとした問題が色々あって、一人暮らし4年目にして現在3軒目のおうちである。
いまの家が一番好きで、何より自分色だな、と感じている。
彼氏は「自分の家よりも落ち着く」と言い、自分の家を私の部屋の内装に近づけようとしている。
アースカラーが多めで、2つある小窓には観葉植物やお香セット、アロマを飾っている。
(本当はもっとグリーンを取り入れたいが、パキラを枯らした経験から大きめの植物を迎え入れることは検討中である)
『私の生活改善運動』の本の帯に書いてあった
「これでいいや」で選ばないこと。
「実は好きじゃない」を放置しないこと。
この言葉にビビッときた。
実は小物の収納がちょっと気に入っていない。
実はクローゼットの収納が使いづらい。
そういうところから少しづつ、変えていけたら
私の家も母のように、もっと居心地いい空間になるだろうか。