9月7日おとめ座新月
ホロスコープはさそり座としし座が枠組みを成す芯の強い配置になっており、この二つのサインの支配天体が新月に関わりを持っています。
「社会からラベリングされる自分」で起こる新月
天頂はしし座。
新月の位置は数字的には5度前ルール適用0.6度差と11ハウスとも近いですが、日昇方向を考えると10ハウスが妥当でしょう。
必要なのは、際立つ個性でも力強い言動でもリーダー性でもなく、自分に「誇りと尊厳」を持つことです。その誇りと尊厳を発掘するために知性を働かせようとしているのが、今回の乙女座新月です。
新月が起きた乙女座は、この知性をつかさどる水星を支配天体に持つ「地」のサイン。
この地のサインは「地に足がついた考え方」などとも言われるように、質実な生き方を好みます。と言うと「なんだか正しい人!」のように思えますが、その「好み」の基準は「真面目に皆のために」ではなく「自分が好きなもの」に対してのみ発動されます。
注・地のサインは、月と金星という甘々な組み合わせで出来ている。一見ひょうひょうとしている風のサインは、水星と土星というシビアな組み合わせ。優しさで包むイメージの水のサインは火星と火星というオラついた組み合わせである。火のサインはそのまま、太陽と木星というおおらかであれ組み合わせ。この辺はそのうち詳しく書きたい。
素の自分を表すアセンダントがさそり座
支配天体である火星は乙女座で11ハウスにあり、自分の仲間や自分を好きでいてくれている人たちに対して中々シビアな視点で精査しています。「今、ここで、何が、どのくらい、必要か、否不要か」もちろん顔には出しませんが、あなたに対する信頼や善意に対してエグい判断をしてしまいがちでしょう。
さそり座は本心を露わにしない性質があります。その本心は、自分についてきてくれる人以外は正解では無い、という強い思いがあるようです。もしかしたら、その人間関係の中で強い立場を維持できるかに執着しているのかもしれません。
しかし、ホロスコープは常に「対」になっています。
さそり座の向こう側にはおうし座があります。あなたのカリスマ性にYESと言ってくれる人だけを選り好んでいると、環境は固定化し、ものごとは停滞し始めるでしょう。
今回の乙女座新月は、この「固まりやすい」思考に対して、柔軟性を持った方法を提示してくれているようです。
冒頭で述べたように、自分ファンクラブに対してシビアな視点を持っている蠍座に対して、乙女座の新月は「相手に影響力を持ちたい気持ちもわかるけど、今の人間関係はあんたがスキトキメキだったことから派生してるんだす。そもそも好きだったものは何だったっけ?ていうかどこ行った?」と、やんわり伝えています。
さそり座のスキは「相手を自分の熱で変えたい」という密かな欲求を含みます。この感情は月と金星から派生するもので、対象に対して強い吸着性を持ちます。今は本来は自分発のスキだったものがいつの間にか相手主体になり、他者をコントロールしようとしている自分が他者にコントロールされている状態です。
知性を働かせましょう。水星は天秤座にあり、目標が定まれば冷静に動いていけるでしょう。天秤座は活動宮なので常に動いている必要はなく、ゴールが決まれば立ち上がるというスタンスで大丈夫です。みずがめ座の土星がそれを継続的にアシストしています。
また、この新月に対して対人関係を表す7ハウス天王星が働きかけているので、対人関係や何らかの約束事が引き金となり、葛藤に繋がることも有りそうです。
ドアを叩く音に耳を澄ます
火星は冥王星と120度、海王星と180度。
これは目に見えない余白の部分に対して切り込んでいくようなイメージです。
海王星はイメージの天体で、例えばドア一枚隔てた向こうに母親の気配を感じるような、見えないけれど感じる性質を持ちます。じっさいに母親がそこに居るかはドアを開けてみないと判りません。この火星は「ドアを開ける」ような行動をとるでしょう。鬼が出るか蛇が出るか母親がいるか、それは開けてみないと判らないことです。
ドアの向こう側、表立たないように片づけたかった厄介ごとや、秘密にしていた相手との関係に対して、安心と安定を求めるあまり強い言動に出てしまったり、何か強い一手を出しそうです。(ぼうりょくはだめ)
新しい学びを推奨するノード軸
現在と未来の反復運動を繰り返すノード軸は、自分の持ち札と相手の持ち札を行ったりきたり。ヘッドに重点を置くべきなので、自分の机上の知識だけで結果を出したつもりになってはいけないようです。相手のアドバイス、持ち駒に積極的に関わっていくことが大事でしょう。
まとめひとこと
今回の新月では、自分ではコントロール出来ない大きな天体(木星・土星・海王星・冥王星)が意識下にあり、動く前に色々と思い悩んでしまったり、じっさい体調不良が出たり、などというような所があるかもしれません。しかし朝露の一滴が水面を打ち波紋が広がるように、少しでも目の前のことに取り掛かってみて下さい。
みんな違ってみんないい、と無理に思わなくて結構。自分の個性や在り方にこだわり過ぎることは、逆に自分を小さくさせます。誰かと同じな自分でも全然いい。
どんなに否定しても、自分という人間は世界に一人だけなのです。あなたが生きているだけで、あなたの個性は充分に発揮されています。誰かに迎合することなく、また誰かを貶めることなく、尊厳と誇りを持って生命を維持し続けて下さい。