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美味しい生ビールのヒミツ
生ビールのヒミツを知ってしまった。
キンキンに冷えたあのジョッキに注がれたビールとなめらかでクリーミーな泡。
どれが抜けても生ビールの味が半減しそうだが、唯一これが抜けるとかなり打撃をくらう。それが何なのかを?
僕は知ってしまった。
それはズバリ『ジョッキ』にあった。
それもガラスのジョッキでなきゃダメなことを。
これは僕がある飲食店で体験した新たな気付きであった。
そのお店は経費削減のためか?若しくは従業員の負担減のためか?プラスチック製のジョッキを使っていたのだ。
ジョッキに注がれた生ビールは本来重いものと言う概念がある。その為、ジョッキを持ち上げる腕には無意識に力が入る。
しかしプラスチックのジョッキに注がれた生ビールはビックリするほど軽い。
いつもの調子で持ち上げると”フッ“と持ち上がり、その瞬間ビックリしてしまう。
「あっこれはプラスチックなのか…!?」と。
最近は中ジョッキ、大ジョッキに加えメガジョッキなるものもある。
ビールだけでも1リットル入っているのに、その重量の重さというか重量感がどこか“男らしさの象徴”のようにも感じられる。
隣にいるお客さんも興味本位でそのジョッキを持たせてもらい「おもっ!」と口ずさむ。
そんな光景がどこかしこで散見されるのだ。
飲んでいる本人は他のお客さんに対し、ジョッキの大きさで一種の優越感を味わいお酒の酔いと相まって自ら勝手に作り出した優越感に酔いしれるのだ。
そこにはガラスのジョッキならではの生ビールの味わいを更に味わうヒミツがあった。
そして外してはならないのはガラスのジョッキは”重さだけではない“と言うこと。
ビールを飲もうとジョッキの縁に口を付ける瞬間にも重要な要素があった。
プラスチックのジョッキはお酒を飲んでいるのにジュースを飲んでいるような妙な感覚がする。
これは僕が体験したプラスチックジョッキのもう一つの気付きであった。
これもガラスのジョッキが作り出す生ビールを味わう大きなポイントであったということだ。
暑い夏は美味しい生ビールをホットな体に流して乗り越えていきたい。