日本先進会の「表のキーワード」は?そして「裏のキーワード」は・・・?(動画の文字起こし)
(語り:鳩山紀一郎、長島令和)
鳩山・長島:こんにちは。
鳩山:ということで、今日は長島さんとお話をしたいというふうに思うんですが、先日、動画のほうで、日本先進会、今、発信力不足だから、それをどうやってこれから発信力高めていくかってことを考えなきゃいけないと。これからホームページ新しくして、会員の募集というのも始めていきますし、その会員の方たちとの対話とか、そういうこともやっていきたいと思っていますし、それを動画に出していくということですけど。あとは、政治家とか、有識者とかとの対談とか、そういうのもやっていくし、こういう日頃の議論みたいなのも出していけたらいいなというふうに思って。だから、こういうことをやってるんですけど。ということで、いろんな発信の幅を広げていくみたいなことは考えて、それは申し上げたんだけれども、他にもいろいろ工夫っていうのはできるとは思ってるんですよね。そこについて、今日は伺いたいと思ってるんですけど、どうですかね。
長島:やはり、結論としては、私が今考えているのは、政策を伝えていくためのキーワードというものがこれからは重要になってくるかなと思っておりまして。
鳩山:今までも、キーワードっていうのは、試行錯誤でいろいろ作ってはきましたよね。
長島:まさにTwitterの、私たちの名前の後にも書いてあるような「思いやりと合理性」。あるいは、この本の中でも「思いやりと合理性の日本へ」と付けているぐらいで、「思いやりと合理性」っていうのがまさに私たちのキーワードではあったわけなんですけれども、それが特徴のあるキーワードになってるのか。あるいは、伝わってるのか、浸透しやすいのか。そういったことを考えると、かなり弱い部分はあるのかなと思っていて。それからちょっと一歩下がってお話ししますと、そもそも私たちというのは、政策本位の新しい政党を完全にゼロから立ち上げるというプロジェクトをやっているわけですから、ほんとに一番大切にしてるのは政策なわけですよね。
鳩山:そりゃそうだ。政策ですね。
長島:もちろん、だからこそこの本の中でも、結構な方々から、真面目過ぎるというふうなお叱りを受けているわけ……。
鳩山:自分たちで読んでも、真面目だなと思いますからね。
長島:とにかく、今、議論を尽くして考えを尽くした結果として、今の日本というか、これからの日本に必要な政策っていうのはできるだけ包括的に。まだ議論が足りてないところとかあるんですけれども、できるだけ包括的に考えるとこうなりますということを真面目に、結論部分としての政策を、現時点での政策を書いているわけなんですけれども、それってやっぱり。
鳩山:政策本位というのがわれわれの持ち味ではあるんですよね。
長島:あるんですけれども、それは持ち味であると同時に結構弱点でもありますと。
鳩山:弱点か。
長島:それはなぜかというと、この本がそうであるように、政策をきちんと議論しようとすると、それだけでとても文字数が多くなってしまう、情報量が多くなってしまうと。そうするとなかなか、他にもいろいろ根源的な思いとか、そういうのを伝えたい部分があるんだけれども、そっちではなくて、結論としての政策で情報がいっぱいになっちゃって、明確なビジョンとか思いが伝わってこないみたいな印象を受ける方が多いと。これはもう事実だと思うんですよね。それってやっぱり、簡単にいえば、例えば霞が関の官僚の文章というのは、中身は別として、政策ゴリゴリの話なわけじゃないですか。じゃあ、その政策ゴリゴリのプレゼンテーションとか文章みたいなものを国民が、有権者の方々が見て楽しいか。関心を持ってもらいやすいか。あるいは理解してもらいやすいかっていったら、そうではないんだろうなと。
鳩山:そら、そうでしょうね。
長島:そういう感じに今の日本先進会はなっちゃってるんだろうなという問題意識はあるんですよね。じゃあ、それを変えていくかっていうときに、キーワードという話になってくるのかなと思っておりまして。キーワードの意味というか、機能というのは主に2つあると思ってるんですけれども。一つは、やっぱりそのキーワードを示すことによって、自分たちの政策っていうものをよりストーリー化しつつ整理できるという。
鳩山:ストーリー化しつつ、整理ができると。
長島:結局、これはどういう枠組みで理解すればいいんだっていうところを、より明確にすることができるんじゃないかという話と、もう一つは、これは1つ目とも関連するんですけれども、そういうキーワードがあることによって、私たち自身が有権者に対して政策を発信するだけじゃなくて、私たちのことを認知して、理解して、支持してくれてる方々も、その他の人たちに伝えやすくなると。
鳩山:こういうキーワードを掲げてる政治団体だよということで、説明しやすい。
長島:説明もしやすい。そうすることによって日本先進会のコミュニティーを今、広げていきたいと思ってるわけですから、それがしやすくなるんじゃないかなというふうに思ってるわけですね。
鳩山:今の「思いやりと合理性」とかいうキーワードだとなかなか、応援してくださってる方々が説明しようにも、それだけだとちょっと分からないなって感じになりやすいってことですかね。
長島:「思いやりと合理性」というキーワードを捨てるつもりはないんですけれども、ただ、やっぱり少し淡泊というか。
鳩山:白飯みたいな。
長島:白飯、そうですね。おいしいし、毎日食べるかもしれないんだけれども、ちょっと味気ない白いご飯みたいないうふうに。味気ないはちょっと失礼ですね。
鳩山:僕は新潟で教員やってましたから、おいしいお米をいっぱい食べましたけれども。それはともかく。「思いやりと合理性」が淡泊過ぎたと。
長島:「思いやりと合理性」というキーワードは、正しいんだけれども淡泊過ぎたので、新しいキーワードっていうものを作る必要があるのかなと思ったわけなんですけれども。
鳩山:じゃあ、早速、そのキーワードについて、どういうふうにお考えか、ちょっと聞かせてください。
長島:結論としては、実は2つ、「表のキーワード」と「裏のキーワード」っていうものをこれからは打ち出していきたいと思っているんです。
鳩山:表と裏ですか。
長島:若干怪しく聞こえるかもしれないんですけれども。
鳩山:面白い、面白い。
長島:怪しい者ではありませんということなんですけども。
鳩山:多分怪しくありません。
長島:まず、「表のキーワード」から申し上げますと、3つありまして、「正義・シンプル・ガバナンス」というものですね。これはこれからリニューアルするホームページでも動画を作って、ショートムービーみたいな動画ですけど、それを作って上げておきたいと思ってるんですけれども、いわゆる一般的に社会で使われてるような言葉を使って、日本先進会の政策の特徴、考え方の特徴ってものを、他の政党とか政治家さんたちとの差別化も含めて、特徴は何ですかと聞かれたら、「正義・シンプル・ガバナンス」というところに集約されるのかなというふうに思っているわけです。じゃあ、正義って、かなり普遍的な言葉というか、みんなが使う言葉で、いやいや、みんな正義を掲げてやってるはずだから、そんなの差別化にならないだろうっていう意見もあるかもしれないんですけども、そこは私たちは考え方が違っていて。
鳩山:今までの人が言ってた正義がほんとに正義かみたいなことですかね。
長島:そういう意味合いも当然あるんですけれども、より具体的には、最近の世の中というのは、日本も含めてですけど、世界的にってことだと思いますけど、正義っていうものを語るのが難しい世の中になってるんじゃないかなと思ってるわけです。これはどういうことかというと、某野党にも結構顕著に見られる姿勢、某野党に特に見られる姿勢なのかなと思うんですけども、多様性という言葉がありますよね。多様性を尊重しよう、多様性は重要です。多様性が尊重されるべきであるとか、多様性が社会の力の源であるとか、そういうことはもう100パーセント絶対そうだと思うものですね。政治を考えるときに、多様性っていうのは、もう少し丁寧に考えなくちゃいけないとやっぱり思うわけです。政治っていうものは社会のルールとか制度とかを作るものですよね。なんだけれども、社会には、まさに多様な人たちがいる。その多様な人たちが共存・共生しようとするからルールや制度が必要になるわけです。
鳩山:いろんな人たちが共存・共生するから、ルールが要る。
長島:するから、ルールや制度が要ると。だとしたら、そのルールや制度はどういう基準で決めたらいいの?といったら、多様な人々が同じ思いで、同じ目的でっていうもののためにルールや制度を作るわけじゃないですか。それこそがまさに正義なんです。だから、正義というのは、もちろん多様性を尊重するみたいな正義もあるんですけれども、正義というものは、ある意味で多様性に反する。多様な人たちがある部分で一致して合意するから、ルールや制度を作る。だから、結構、多様性、多様性って、多様性は重要なんですけれども。
鳩山:重要は重要ですよね。
長島:それを狭い視野で言い始めてしまうと、正義っていうものを見失ってしまうと思っていて。実際、その結果として、なかなかいろんなことに対して正義というものを見いだしづらいというか、明確にしづらくなっている部分があるのかなと。例えばコロナ禍でも、結局、世の中にはリスクってものが付きもの、人々が生きていれば、リスクっていうものが人生には付きものだよというのが。
鳩山:あらゆることにね。
長島:これは当たり前のことだったわけで、その中で、そのリスクをどうやって管理していくかというのが、個人としても、社会全体としても課題なわけですよね。というときには、やっぱり、何を大事にしていくかっていう社会的な合意を取っていかなくちゃいけない。でも、その合意がきちんと取れていますかと。安倍政権から菅政権に替わって、ずっとその場しのぎの、ほんとにお粗末なコロナ対応やってると私たちは思ってますけども、それってやっぱり、何を大切にする、逆にいえば、何を犠牲にする可能性もあるというところの合意を、政治家が国民を説得するということも含めて取ろうとしてないんじゃないかと思うわけです。もちろん細かい話をすれば、いくらでも例はあり得るんですけれども。
鳩山:一冊の本ができそうなぐらい。
長島:実際、全ての政策においては、犠牲にすべき正義っていうものを明確にしなくちゃいけないわけですから、それができてますかという。この政策は何のためにあるんですか。その合意はどうやって取るんですかっていうのの正義っていうものをちょっと明確にするという姿勢を、私たちは明確にしていきたいというふうに思っていて。
鳩山:それが1つ目のキーワードの正義。
長島:ですので、そういう意味では、この本でも、もちろん、何のためにこの政策をやるっていうのは全ての政策で書いているつもりではあるんですけれども、やっぱり正義は何かと。この政策における正義は何か、実現すべき正義は何だっていうかたちでこれからは明確にしてお伝えしていって、議論をそこから始めていきたいなと。
鳩山:何が正義かを明確にして、というか、逆に、何を明確にするかという部分から逃げないという姿勢ですかね。
長島:それをまさに、日本先進会かくあるべしというふうな感じにしていきたいと思っているというのが1つ目です。2つ目は、シンプルっていうところなんですけれども、各政策領域、いろんな政策領域で実現すべき正義というのを明確にした上では、その正義を実現するために、できるだけシンプルなルールにする、シンプルな制度にするということが大事だと思っていて。
鳩山:逆にいえば、今、めちゃくちゃ複雑ということですね。
長島:そうです、そうです。これは、もうほんとにこの本の中でも繰り返し書いているんですけれども、とにかく今の世の中というのは、政府が関連する部分も、関連しない部分も含めて複雑過ぎるんです。それって、誰も幸せにしていない。誰の幸せにもつながっていないわけなんです。それって、やっぱり、要は人間というものは幸福を求めていろんな活動を、個人だろうが、家庭だろうが、会社だろうがしているわけなんですけれども、人生を楽しむ時間とか、お金とか、そういったものをできるだけ多くみんなが持てるように、みんなが別に求めてない無駄みたいなものっていうのはほんとに排除していこうよというのが、やっぱり日本先進会の基本的な精神、政策っていうところの特徴だと思うので、それをまさにやっていきたいっていうのが、シンプルということです。
鳩山:だから、本の中でも、一律にするとか、定額にするみたいな、そういうことを言っていますよね、われわれは。
長島:一律にしても、定額にしても、きちんと、例えば富の再分配ができるのであれば、それでいいわけなんですよね。
鳩山:当然。
長島:そういう議論を、今の政治家の方々っていうのはしないわけで、それはどうしてだろうっていうことなので、まさにそれに切り込んでいくというふうなことをやっていきたいというのが2つ目です。
鳩山:それでは、3つ目のガバナンスですけれども、ガバナンスって聞くと、一般的にはあまりイメージが湧かないというか、難しい用語のような気がしますけど、どうですかね。
長島:ガバナンスは、簡単にいえば、作ったルールとか制度ってものがきちんと機能していますかと。それをどう担保しますかって話だと思うんですね。
鳩山:機能することを担保する。
長島:先ほど申し上げた1つ目と2つ目が、まさに正義とシンプルということですね。実現すべき正義というものをまず明確にして、それを実現するために社会のルールとか制度とかが作られますと。ただ、そのルールとか制度とかって、作られただけではなかなか機能しない。
鳩山:それはそうですね。
長島:それが機能するためにいろんなものをきちんと整備しなくちゃいけないっていうものが、それも含めてルールとか制度なんですね。
鳩山:ちゃんと取り締まるところは取り締まらなきゃいけないしとか、そういうことですよね。
長島:きちんとインセンティブ付けるところは付けなくちゃいけないとか、そういうことがあるわけで。例えば今のコロナ禍でいえば、日本の医療システムって、コロナ禍が始まる前だったら、日本人って、先進国の中でも優れてるほうだというふうな自負があったと思うんですけれども、でも、実際にふたを開けてみて、こういう緊急事態になりましたという中で、日本の医療システムが掲げてる根源的な問題とか矛盾みたいなものが明らかになったと思うんです。だって、実際、われわれが今までTwitterとか動画とかで発信してきたように、要は、感染拡大防止っていうことをきちんと対策を取っている限りにおいては、やっぱり緊急事態宣言みたいな感じで社会経済を止めるべきではないし、特に若者の何らかの自由とか、そういうものを奪うべきではないと。
鳩山:大学に行けないみたいな、そういう話ですね。
長島:そういうのはあり得ないだろうというふうに考えていて。それというのは、今、医療崩壊のリスクみたいなのが叫ばれてきているわけなんですけども、実際、きちんと医療資源っていうものが機能するようになっていれば、されるようになっていれば医療崩壊なんて起きようがないわけなんです。日本の医療の感染状況を考えたら。
鳩山:世界的にはそんなに多いわけじゃないですからね。
長島:全然多くないわけですから。そう考えると、それってまさに医療システムのガバナンスが全然機能してないよねって話になって。せっかく国民皆保険とかいうものに基づいた医療システムがあるのに、それが国民のために、こういう緊急事態で機能できないのはなぜなのかと。それが問題なんだから、それを変えようじゃないかって、そういうのがガバナンスの話で。だから、正義に基づいてシンプルなルールや制度を作るってだけじゃなくて、それが本当に国民のために機能するように何ができるかっていうのをとことん考えるというのを日本先進会のやっぱり持ち味にしていきたいなと思っているんですよね。
鳩山:だから、実現すべき正義は何かということを明確にしていくという話と、あと、正義を明確にした上で、それを実現するルールっていうのをできるだけシンプルにするという。
長島:制度も。
鳩山:制度もできるだけシンプルにするし、作った上で、それを、じゃあ、どう実装というか、実際に運用するときにはガバナンスが非常に重要になる。この3つをセットでわれわれは考えていくということですね。
長島:そうですね。まさにこの3つのキーワードを使って、新たに会員になってくださる方々とも対話したいと思ってますし、既存の政治家であるとか、有識者の方々にわれわれの政策をぶつけに行くっていうときも、こういった枠組みでお話ししていきたいなと。私たちの政策キーワードは、表の政策キーワードは。
鳩山:そうか、表でしたね、今の話は。
長島:正義、シンプル、ガバナンスなんだということをお伝えしていきたいと思っています。
鳩山:正義、シンプル、ガバナンス。いいですね。これでいきましょう。今のは、だから、表のキーワード。
長島:はい、表なんですね。
鳩山:裏も考えてくださったと。
長島:というのは、表のキーワード、正義、シンプル、ガバナンスは日本先進会の考え方の特徴を表していて、すごいいいとは思うんですけれども、まだやっぱりちょっと優等生ぶってる部分もあって。なので、もう少し踏み込んだというか、哲学と言ったら言い過ぎなんですけれども、人間とか社会みたいなものにもう一歩踏み込んだキーワードみたいなものを持っておく必要があるかなと思っていまして。それに基づいても、いろんな議論を深めていくってことをしたいなと思っているんですよね。それが裏のキーワードっていうものなんですけれども。
鳩山:何ですか、それは。
長島:それは、「承認欲求のコントロール」なんですよね。
鳩山:「承認欲求のコントロール」。
長島:なんですけども。
鳩山:謎めいたキーワード。
長島:これは裏のキーワードっていうふうに申し上げてますけど、別にこれが悪いとか、できるだけ隠したいっていう意味ではなくて、すぐに考えるべきものではないかもしれないけれども、みんなで少しずつ考えていきたいっていう、ちょっと裏ミッションみたいな、そういう意味合いが入っています。とにかく、それにも基づいて、会員の皆さんとかいろんな方々と話をしていきたいので。承認欲求のコントロールってどういう意味合いかっていうのはちょっと、もう少し込み入った話になるので、また次回に回せばいいかなと。
鳩山:マズローの5段階欲求説の4段階目でしたかね、あれ。
長島:上から2つ目なんですけど、そのへんの話も含めて、またきちんと詳しく話してる姿をお見せしたいなと思ってます。
鳩山:分かりました。じゃあ、承認欲求のコントロールについては、また次回動画でお話をしていきましょうか。