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隣人を説得できなければ世界は分断されたまま (鳩山紀一郎から皆さんへのお願い)

語り:鳩山紀一郎(日本先進会 代表)

先日、父・鳩山由紀夫との対談動画の第一回を公開しました。
私自身の能力不足もあり、あまり良いクオリティのものにはなっていないと思っていましたが、これに対して、温かい応援のメッセージを含め、様々なコメントをいただき、感謝しております。
ただそのコメントを拝見して、少し思うことがありましたので、今回はそのことについてお伝えしたいと思います。

まず最初に明確にしておきたいのは、皆さんからいただいているコメントの大部分は、明らかに正しいということです。
父の発言に対して皆さんから厳しいコメントがたくさん寄せられましたが、基本的には全て正しいと思います。
そういった正しい意見を率直に述べてくれる方々に支えられているということは、日本先進会にとって非常に重要で、有難いことです。
ただそれを明確にした上で、ここで申し上げたいのは、できれば皆さんには、「どうすれば父親の考えを変えられるか」という前向きなトーンでコメントをしていただきたいということなのです。
コメントの中には「もう説得など諦めて自分の道を歩んで欲しい」という意見もありました。そのお気持ちはよくわかります。
しかし私は、「どうせ説得なんて無理だ」で終わらせるべきではないと思っています。
これは何度か申し上げてきたことで、父との対談でも言ったことなのですが、政治家には「正しいと思う道を示して、国民を説得する」という大きな役割があるはずです。
そのような役割をキチンと果たそうという政治家があまりにも少ないから、今の日本でも、たとえば「反自民vs.反反自民」のような「分断」が生じてしまって、その分断のせいで政治が停滞し、社会が少しずつ機能不全になってきているのです。

それが「民主主義の脆弱性」であり、これは日本だけでなく世界中で起こっていることだと思います。

私は、国民自らがリーダーを選び、そのリーダーが社会の制度やルールを決めるという民主主義はやはり貴いものだと信じています。
しかし、これからの時代、民主主義の質を高める努力をしていかなければ、健全な国家は維持できなくなるのではないか、中国のような独裁国家に負けてしまうのではないか、という危機意識ももっています。

ではどうやったら民主主義の質を高められるのでしょうか?

その第一歩は、意見の違う相手を真摯に説得しようと試みる態度を皆が持つことです。
つまり、もしあなたの隣に、あなたとは意見の違う人がいる場合には、お互いに相手を罵り合うのもダメだし、「みんな意見が違っていいよね」という風に、簡単にお互いに自分の殻に閉じこもるのもダメなのです。

「隣人を説得できなければ世界は分断されたまま」なのです。

たかが親子の対談の話で何を大げさな、と思われるかもしれないが、一事が万事、私はこういった姿勢を崩したくありません。
それに、恐らくこれまで父の周りにはおかしいことを「おかしい」と本気で言ってくれる人はいなかったと思うので、息子である私はそれを言う重要な役割があるとも思っています。

確かに父の説得はそう容易なことではないでしょう。私自身の力不足という現実もあります。
だからこそ、こんなことをお願いするのは恥ずかしいことですが、皆さんにもご協力をお願いしたいと思います。

改めて申し上げますと、父・鳩山由紀夫との対談にご意見をくださる場合には、もちろんご批判をいただくことも大変ありがたいのですが、できれば私と一緒に、前向きに父親の考えを変えようとしていただければ、とてもありがたいと思います。皆さんの声はきちんと父に届けます。今後も父との対談の試みは続けていこうと思います。

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