6.23沖縄慰霊の日各地の様子まとめ
今年も沖縄県に6.23「慰霊の日」がやってきました。
そう6月23日は沖縄戦(日本軍の組織的な戦闘が終わった日)が終結した日です。
6月23日、沖縄県は条例で休みと定められ、この日は学校・官庁ともに休みです。
県のホームページにも慰霊の日について以下記載があります。
この日に合わせたかのように、沖縄県は例年この時期に梅雨が明け(梅雨明けの平年値は6月21日)、ギラギラの太陽のもと盛夏がやってきます。
2024年の梅雨明けは6月20日。
今年も強く照りつける日光のもとでの慰霊の日となりました。
慰霊の日は沖縄県内各地で慰霊祭や追悼式典が行われ、たくさんの遺族や関係者、一般市民が集まり戦没者を偲び、追悼します。
また県全域で正午に1分間の黙祷を捧げ、戦没者を追悼します。
わたしは今年も慰霊の日に合わせて各地を訪問しました。
時間の都合上、行ける場所は限られてしまいましたが、少しでも慰霊の日について知っていただきたいので、各地の様子を紹介します。
①白梅の塔
白梅の塔は沖縄戦で従軍看護婦として動員され犠牲となった白梅学徒隊を祀った慰霊塔です。
すぐ近くには、アメリカ軍の攻撃で亡くなった学生が看護活動をしていた壕も残っています。
慰霊祭には、95歳の元学徒隊のかたも参加。全部で60名ほどのかたが慰霊祭に参加したようです。
この日ばかりは、慰霊祭ということもあり、多くの方が訪れていました。
レンタカーも目立ちました。
白梅の塔は木々に囲まれているので、そこまで暑くない印象でしたが、関係者が親切にお茶を用意してくださったので、おいしくいただきました。
②ひめゆりの塔
ひめゆりの塔は白梅学徒隊同様に、沖縄戦で動員され亡くなった「ひめゆり学徒隊」の生徒や関係者を祀る慰霊塔です。
ひめゆりの塔の知名度は抜群に高く、多くの方が慰霊に訪れていました。
慰霊祭には参加できませんでしたが、慰霊祭が終わった後も献花が途絶えることはありません。
観光客も多く、「今日が慰霊の日だということを初めて知った」と言う声も周りから聞こえました。
③ずゐせんの塔
ずゐせんの塔は、女子学徒隊「瑞泉学徒隊」で亡くなった生徒・関係者を祀った慰霊塔です。
女子学徒隊は沖縄戦では、全部で10の学校(9つの学徒隊)から動員されました。
男子も含め、学徒隊のことも知っていただきたいので今後、紹介記事を書く予定です。
ずゐせんの塔に話を戻すと、遺族やOBのかたが集まり、多くの関係者で賑わっていました。
塔の入り口にある校章が美しく出迎え、わたしも関係者に挨拶をし、手を合わせました。
話は変わりますが、瑞泉学徒隊の生徒が通った首里高女の卒業生らでつくる「瑞泉同窓会」が、高齢化に伴う同窓会員の減少で解散するに伴い、今回の慰霊祭で解散を宣言したとのこと。
今後は関わりの深い県立第一中学校と首里高校の卒業生らでつくる「養秀同窓会」が活動を引き継ぎます。(沖縄タイムスから一部抜粋)
体験者が少なくなる中、今後の沖縄戦の継承をどうするかが課題となりそうです。
④魂魄の塔
沖縄戦の慰霊碑で最初に建てられた魂魄の塔。
魂魄の塔に手を合わせに来られる県民の方は非常に多いです。ここが「沖縄県の塔だよ」という人もいます。
この日も、駐車場はいっぱいでさらに道路の路肩まで車が並んでいました。
お客様をよくここにお連れしますが、普段静かな魂魄の塔はこの日は大勢の参拝者で賑わっていました。
子供から大人まで何世代もの方が手を合わせる光景は、沖縄の方の平和に対する想いを強く感じます。
わたしの息子も3歳ですが、わたしの真似をして手を合わせて「ウートートー」(沖縄の方言で祈ること)していました。
家族で平和を祈る・考える改めて大切な日だと感じました。
⑤平和祈念公園
最後に訪れたのは平和祈念公園。
沖縄戦の最終盤に日本軍が司令部を置いた摩文仁に、公園や平和の礎があります。
ここで沖縄戦が(組織的な戦闘)終了したということもあり、慰霊のシンボル的な場所です。
毎年、平和祈念公園では県主催の沖縄全戦没者追悼式が行われます。
県知事や総理が参加すると言うことで知名度も高く、NHKも昼から生放送をするので、ご存知の方もいるのではないでしょうか。
わたしが訪れたときには式典は終わっていましたが、いろんなジャンルの政治活動をされている方々がいて、ものものしい雰囲気でした。
式典会場隣の平和の礎には20万人を超える沖縄戦やそれに関連するできごとで亡くなった一人一人の名前が刻銘されています。
遺族の方・関係者は石に刻まれた名前に手をあてて話しかけたり、涙ぐんでている人が大勢いました。
最後に礎から歩いて、摩文仁の目の前に広がる慶座絶壁(ギーザバンタ)を眺めます。
快晴のもと、平和祈念公園から見る東シナ海や空は美しく、これから盛夏を迎える沖縄に相応しい景色そのもの。
79年前も同様に美しかったことでしょう。
違うことは戦争か平和か。
この平和な世の中でいつまでもこの美しい沖縄を見ていたいと思った筆者でした。
改めて6.23は平和を考える大事な日でした。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?