苦しかったときの話をしようか 森岡 毅
ひとこと紹介
「君は、他の誰でもない、立派な君になるんだ!」
USJ再建で有名な筆者が、
就職活動期を迎える我が娘のために
伝えたいたくさんの経験。
直接言っては喧嘩になるからと
書き溜めた「働くことの本質」が書籍化。
キャリアを考えるうえで、
誰もが知っておきたい「自分の軸」の見つけ方。
キャリアに悩める先生ご自身だけでなく、
受け持つ児童・生徒に
将来を考えさせたいときに、
ぜひ参考にしたい一冊。
私とこの本
新卒から6年務めた会社から転職して2年、
仕事は好きだし、会社も好き。
目の前の業務に
奔走する日々に充実感を感じていた。
そのような中でコロナ禍に見舞われ、
覆された私のキャリア感。
会社がどうなっても
確たる自分を持っていられるか。
兼業で小さく起業という選択をしたのも
この本書の影響が大きい。
おすすめのポイント
大学1年生くらいで読みたかったなぁ
この書籍の特徴は、
筆者が「書籍化」を目的に執筆したものでなく、
当時大学生の娘に向けての
愛溢れるキャリア選択のメッセージを、
「角が立たないように」伝えるために
文章に起こしていたものが
原稿になっているところだと感じる。
筆者の一人称は「父としての」私、
「娘としての」君に向けて書かれており、
親身な語り口に私は惹きつけられました。
私自身、大学生活を
後悔しているわけではないが、
この書籍があれば、
もっと有意義に過ごせたのではと思う。
特にあのころの私に
教えることができるのであれば、
「何がしたいかわからない」のは業界を知らないからではない、
自分を知らないからだ。具体的な就職先を選ぶのではない。
真っ先に悩んで、最後まで集中して考え抜くことは
自分の中の「軸」が何かだ。「どこに勤めています」よりも「何ができます」といえる人になろう。
人間は生まれながらに不平等だ。
だからこそ、ユニークな存在になれる。
君は、ほかの誰でもない、立派な君になるんだ。
今からでも遅くない、上記の言葉を刻み、
私はこれからのキャリアを築いていこうと思う。
私の「苦しかったとき」と照らし合わせる
本書の5章では、
社会人になった筆者のキャリアにおける
「苦しかったとき」が、
かなりショッキングな事実とともに
書かれている。
自己肯定感がどん底まで下がった新人時代。 恐怖から物理的に電話が取れなくなり、当時 一気に普及した携帯電話も、長い間持つことができなかった。(家族にも持たせることができなかった)
マネージャー昇進後、自分自身が納得できていない商品戦略を、 部下や関係者を騙す形で推し進めた後悔
海外赴任後、会社と家庭、両方からの大きなストレスを感じた時
私が書いてしまうと
あまりに軽く見えてしまい少し申し訳ない。
ぜひ実際に手に取って読んでみていただきたい。
私自身、苦しかったとき、
前職の会社に新卒で入ってから
転職するまでの6年間を
強く意識させられた。
ハードワークの人に憧れ、
長時間労働こそが自身の価値だと 考え違いしていた時期弱み部分が露呈し、上司からの叱責と顧客対応に追われる日々。
私も電話が恐怖に感じた。自分がやるしかないと勝手に決め込み、
抱えきれず迷惑をまき散らす有様
ハードな環境で
上手に仕事の荒波をかき分けていく、
先輩・同期たちを横目に
押しつぶされそうな自分に気づかないふりをし
勢いと明るさを保つことで、
何とか頑張ってきた。
転職の理由を聞かれたとき、
「仕事のハードさ」を理由に挙げていたが
本書に書かれていた一節で気づかされた。
「できない自分」との向き合い方が分からなくなった。
まさに、当時の私はこの状況だったのだろう。
あれ以上続けていては、
自己肯定感の低下が限界を超え
心身に支障をきたしていたかもしれない。
大きな転機だったからこそ、
あとになって気づくことがある。
同時に、当時の上司があきらめずに関わり続けてくれたこと
転職後の上司や仲間たちが、
このような私を受け入れ、
引き上げてくれたことに大きな感謝を感じた。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
先日、異業種の方が集まる下記の読書会に参加して、
久しぶりに読み返したのでまとめてみました。
OUTPUTこそ最大のINPUTですね。
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