【先生と企画】ロサンゼルスと繋いで授業をした先生にご相談
こんにちはSENSEITIONALです。
前回は熊本県の中学校とロサンゼルスを繋ぎ、異文化理解に取り組んだ授業を紹介しました。
今回は授業後に先生へ感想をお聞きしたときの話をインタビュー形式でご紹介。今後もっとよいプロダクトにしていくために、感想以外もいろいろ聞いちゃいました。担当はSENSEITIONAL大塚です。
身近だけど知らない世界に触れる大切な時間
― 先日はありがとうございました。
はじめに授業全体を振り返っての感想からお聞きしたいのですが。
先生 今回の授業は異文化理解として最高の機会になったと思います。子どもたちが普段教科書からは学べない内容だったので、惹きつけられていましたね。加えて子どもたちにも身近で世界共通の「飲食」というテーマ から学べたことが良かったですね。身近なんだけど知らない世界だったと思います。
― ありがとうございます。今回事前の打ち合わせ段階でプロジェクト型学習(以下PBL)をデザインできたらとお話ししておりました。先生の視点から見て、いわゆるキャッチ―な授業だけに留まらない 「学びの質」としてどうだったか気になっていたのですが。
先生 プロジェクト型ということでいうとやはり1時間では足りないということはあったかと思います。よりリアルな条件設定をしていくならやはり1時間では足りないと思ったし、単なる異文化理解で終わるのか、より子どもたちが社会に出た後の場面設定をしたうえで考えさせるのか、時間があったらそこまで踏み込みたかった。そこまでできたら最高でしたね。
― 私は中学校2年生のアウトプットの質が高いことに驚きました。
先生 本当ですか。 ありがとうございます。
外部の方と授業する機会と「学び」の設計
ー 一方で、教育的効果として英語なのか、異文化交流なのか、50分で欲張りすぎてしまったかもしれないと思うところも正直ありました。
先生 ある意味今回「異文化理解」に焦点化されたので、やりやすかった部分もあると思います。
ただ、あの50分だけで異文化理解が十分かという点は留意が必要ですね。
ビーガンというテーマを先生から指定しない方が各班の議論が深まるケースもありますが、やはりどうしても時間が必要ですね。
さらにPBLをしていくなら前提知識を子どもたちに与えておく必要があるでしょう。
また、時間がもう少しもらえるのであれば
子どもたちが一度ラーメンのプレゼンをし、香川さんからコメントをもらったあとに、もう一度10分でもブラッシュアップする時間が取れるだけでもかなり違ったと思います。
実際の授業でも中間評価の機会をよく取ったりします。
ー 外部人材を授業に連れてきた際に、限られた50分の時間の中で、
質の高い学びをするのはやはり難しいですか。
先生 学びというのは「拡げる学び」と「深める学び」の2種類があると思っています。今回は「拡げる」 部分として非常によい授業だったと思います。「深い学び」という言葉に引っ張られて「深める学び」に価値が置かれがちですが、「拡げる学び」という視点を持てば50分でも質の高い学びを提供できると思います。
― なるほど。50分で提供する場合は「拡げる」90分時間が取れる際は「拡げて」「深める」という考え方ですね。
確かに私たちが連れてくる普段あまり触れ合えない大人との交流機会では「拡げる」というのが合っている感覚があります。
ありがとうございます。
オンラインで「社会と学校の接点」に新たな可能性
ー 最後に再度授業当日のお話になりますが、
子どもたちの反応を教えていただいてもよろしいでしょうか。
先生 異文化理解ということはもちろんですが、子どもによっては 「飲食業界」そのものに興味をもった子もいたようですね。 「食べる人のことをそこまで考えているんだ」という感想が印象的でした。特に今年は職場体験ができなかったので「キャリア教育」という観点でもいい機会だったと思いますね。
ー それは嬉しいですね。普段触れ合えない大人とも接点が持てることが価値になればと思っています。
先生 面白いと思います。飲食業に限らず、「システムエンジニア」「貿易商」もしくは 「営業職」など子どもたちは興味を持ってくれると思いますよ。 自分の将来を考えるきっかけにもなるといいなと思います。
インタビューはここまで。
文中にでてくるPBLですが、
吉川先生の記事がわかりやすかったので掲載させていただきます。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
この連休、いろんな人と会いました。
オンラインでいつでも簡単にコミュニケーションできるからこそ、
場での交流に充実感。