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ぼっち・ざ・年末年始

土日が続く形になって年末年始の休みが9連休になっている。
世間では奇跡の9連休なんて言われて、実家帰ったり旅行行ったり初詣、初売り、初〇〇etcetc……みなそれぞれの奇跡の9連休を楽しんでいることと思う。
そんななか、珍しく今回は年末年始の出勤を免除されて(いつもは何日か出勤している)、私も奇跡の9連休を満喫していた。

何をしていたのかというと、実家に帰って、近くの寺に初詣に行った以外は、ほぼほぼ家にいたんですけど。
県外とかには一歩たりとも出てないんですけど。
悲しいくらい予定がなくてねー。
やることないから、「よっしゃ毎日note更新してみるか!」つってnote更新してた。
ここ最近怒涛の更新してるのはそれが理由です。
あと映画を1日1本観ることにもした。
あと『8番出口』っていうゲームを買ってやってた。
もう、この時間の使い方が、我ながらザ・陰キャって感じである。
ずっとモニターの前に座って過ごしてるやんけ。

ちなみに『8番出口』はけっこう前に話題になったインディーズゲーム。なんか今度映画化するらしい。
プレイ時間は短いらしくて、ならこの正月休みでクリアできるだろうってことで買ってやってみたんけど、なぜか今でもクリアできてない。
なんでだ。
永遠に続く地下通路を、異変があったら引き返し、異変がなかったらそのまま進むっていう超絶簡単なルールなのに、異変があるかないかの判断が難しいのだ。
なかなか脱出できずに、イーッってなって一か八かの勘で決めて進んだり引き返してもクリアできないし、思った以上によくできたゲームだった。
しかもホラーゲーらしく、けっこうゾッとするときもあるし。
やっているうちに地下通路を歩く謎のおじさんに魅力を感じ始めた……というプレイヤーがまあまあいると、Xでは話題になっていたのだが、正直、わかる。おじさん助けて、ってなる。

永遠に続く地下通路から脱出できない。

そーんなわけで、ひきこもりみたいな正月休みをしていたんだけれど、どうも私は陰キャのくせにひきこもりの才能はなくて、最後のほうは持て余していた感じは否めない。
12月の27日に仕事納めた瞬間はショーシャンクの空のポーズを取って自由を喜んでいたんだけれど、1月3日とか4日は部屋の隅で体育座りをして虚空を見つめてた。
いまは、明日からの仕事始めをおびえてぶるぶる震えている。

こうやって今回の年末年始を総括してみると、これから先の人生が思いやられる。
おまえずーっとこんな感じで生きていくつもりか?

私の兄弟たちが子供をつれて実家に帰ると、親がすごい喜んでね。
家も一気に明るくなって、ほんとに子供というのは光の存在だということをまざまざと感じる。
マツケンサンバがバックで常時流れてくるくらいの明るさになるもん。

一方、私は完全に闇の存在。
あ、違いますよ、今になって中二病を発症したとかそういうんじゃない。
そうじゃなくて、私が腫れ物になりすぎていて、たとえば私と親だけになると、なんかすげー暗い邦画のワンシーンみたくなるのだ。
ほらよくあるじゃん、台所で顔を合わせて食事してるんだけれど、登場人物がみんなぼそぼそ喋って何言ってんのか全然わかんなくて、食器の音だけカチャカチャ鳴ってる邦画。
あんな感じになる。
そういうシーンを撮りたかったらうちにきたらいいんじゃない? わざわざセット組まなくてもいいし、ってくらい、あんな感じになる。
これを闇といわずしてなんという。

ほんで家の中にずーっといるのもなんだということで、一応近くの寺に初詣に行ったのね。タイミングの問題もあって、一人で。
したら、めちゃくちゃ間の悪いことに地元の同級生もいたわけ。
なにせ田舎なもんだから、初詣するにも選択肢はかなり少なく、同級生とのエンカウント率は高いってのはわかってはいたんだけれど、なんかそういう理由で初詣行かないっていうのも負けたみたいで情けないじゃん?
だから行ったら、案の定会っちゃって、しかもそれが学生時代はイケメンでキャーキャー言われてた三兄弟。
当然のごとくみんな結婚していて、それぞれ綺麗な妻と、何人だかわかんないくらいの童(わらし)たちとジジとババとを引き連れて、ちょっとした団体みたいになってた。
対してこっちは一人きり。
スタンドとか出せないし、完全に一人なわけです。
犬とか連れてくればよかった。
もう目と目があった瞬間、こんなところにのこのこ来たことを後悔したからね。
向こうはイケメンなうえ人当たりも超絶いいので、不審者みたいな私を見つけて「久しぶりじゃん! 元気してたか?」って白い歯を見せて笑いかけてくれたんだけど、もう「あっ、はい」しか言えなかったよねー。
何が「あっ、はい」だよ人見知りの中学生かよ。
なんかもうすごすぎて。
人生の違いがすごすぎて。
勝ち負けじゃないよと人は言うかもしれないが、私の脳裏には「完全敗北」の四文字しか思い浮かばなかった。
ぐるぐる眩暈がして、その同級生と何喋ったかもあんま覚えてないし。

で、瀕死になりながら家に帰ったら、まだ律儀に年賀状をくれる同級生からの年賀状がきていて、それによると子供が増えたんだって。
思わず一人でつぶやいちゃったよ「あっ、はい」って。

そんな年末年始。
一人で過ごすのが年々きつくなってる気がするし、どんどんSAN値が削られている気がする。
このままだといつか正気を失うんじゃないかな。
って書いてて気がついた。
私自身が異変なんじゃない?
地下通路を歩き続けているあのおじさんみたいに。
そんで一生、人生という名の地下通路から出られないんじゃない?

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