治療をするために決めたこと。
気づけばはや1年間、病と抗がん剤治療と自分と向き合っている日々ですが。
私のベースには、主治医は自分。というのがあります。
病を作り出したのも、治そうとしているのも、そのための治療を選択しているのも全て自分だからです。と私は考えています。
病をきっかけにそれまでの自分を振り返り、前向きに、自分を変えていくと、
病って治っていくんですよね。
自分が病である時も、家族が病である時も。
家族が病である場合は家族に何かを伝えてくれている。
大切なことを教えてくれている。(病に限らないですけどね。子育てとかどんなことだって同じです)
これは、独りよがりな見解ではなく、看護師として多くの患者さんを見てきて感じたことや今の自分の体験から感じていることです。
今日は、治療をする上で、私が心がけていること、やっていることを綴ってみたいと思います。
●病や治療や予後などについて、自分で情報収集すること。
今はネットやSNSにいろんな情報が溢れている時代。そういう意味では、医療に素人であっても情報を得やすい環境があって、ありがたいなあと思います。
ただ、情報はあれど、信頼性の是非だったり、同じ病であっても、人によっても千差万別ですから全てを鵜呑みにすることは禁物です。
そこは慎重な判断が必要です。
情報に振り回されるほど、怖いことはありません。
情報を得て。
一度全部忘れて。
自分はどうしたいか感じること。
自分の中でしっくりきたら、決める。
ここが大切と感じています。
そうしたら、誰のせいにするもなく、何がおこってもぶれません。
私の場合の病は、全国的にも症例数が圧倒的に少なく、ネットで調べても闘病されている個人的な体験談など出てくることはほぼありませんでした。
ですので、自分で大学病院などのこの病を専門的に見れる医師がいるところの情報を調べて。医療文献や研究データも調べて。主治医の先生と対等に話ができるくらいの情報を自分でも得て。
でも、医師は専門的知識を持ったプロですから、私以上にわかってみえるから。わからないことは自分から納得するまで聞いて。ということを繰り返してきました。
セカンドオピニオンの必要性を感じた時、看護師さんにも相談し、セカンドオピニオンについても自分で調べ、転院も考慮に入れて病院探しをしました。いろんな方の意見を聞かせてもらうと、セカンドオピニオンや転院もしてもいいものなんだと視野が広がり生き抜くための展望が開けました。
●主治医と信頼関係を築くこと。
主治医の先生には、笑顔で挨拶、いつもありがとうと感謝の気持ちをお伝えしてます。
コミュニケーションの基本ですね。
そして、わからないことは自分が納得するまで突っ込んで聞くようにしているし、こちらの思いや意向も包み隠さず伝えています。
こちらの姿勢としては、フラットに。
対等な立場でこそ、お互いに信頼ある関係が築けると思うからです。
何気ない会話も大切にしています。そこから、人間らしい関係が生まれるからです。先生の性格や相性もあるかとは思いますが、医師も人間ですから。
私と出会ってくれるすべての方にありがとう、私はそう感じてます。
医師との関係も同じです。自分の捉え方次第でよくも悪くもなる。
偏見や見た目などで判断するのではなく、ありのままの一人の人間と捉えること。合わないかも?と思っても、その方の良さを見つけること。
そうした視点を持つと違うものが見えてくる。
そして、感謝の気持ちを伝えることが、何よりも大切かなと思います。
私は看護師をしていた20代、西洋医学や医師に対して抵抗を感じていましたが、約10年専業主婦をして得てきた知恵と、今復職した看護師の立場、そして患者の立場からもお伝えしたいことです。
人を救えるのは人です。
偉そうなこと言ってますが、最初のエピソードお伝えすることこんなでした。
私は夜中に救急車で運んでもらい最初の主治医に出会いました。
不全流産、胞状奇胎疑い
という診断名を言い渡され、放心状態。赤ちゃんがいない。でも陣痛はきてる。出血したときトイレに落としてしまったのか 何がなんなのかわからないまま一日後子宮の中身をだす手術をすると言われました。陣痛が来てたから、自分で産み出すのを待ちたいと伝えたんです。自分の力を信じたかった。
先生は待ってくれて、ちょうど休日だったのもあり、一日後となりました。結局陣痛は弱まり、もうお願いするほかありません。先生を信じて感謝して素直に身を委ねました。第一印象は、若い。無表情。大丈夫?主治医変えてもらえないかと看護師さんにわがままを言いました。完全なる偏見です。で、だめでした。
でも手術を待ってる間も休日なのに様子を見に来てくださり、何がなんなのかわからないと伝えると、状態を紙に書いて説明してくれました。私も、素直に心の整理もつかずわからなくて不安なんだと伝えました。そこから少しずつ信頼関係が育まれていきました。
思いを先生に伝えるのもとても大切です。患者さんを見てるともっと伝えてほしい、お互いのためにって思います。
そして、私の場合、胞状奇胎から侵入奇胎という病態となり、抗がん剤治療をすることになった直後にその信頼していた主治医の先生の異動のため、主治医が変わりました。半年治療を続けていましたが、その間も情報収集し続けました。そしてその病院での治療方針と今の自分の病態を感じてみたところ、ここでの治療は限界だと感じました。そこで、正直に思っていることを主治医に伝えました。かなりストレートに不安や心配していること、希望を伝えました。でも、それは先生を批判するのではなく、信頼しているからこそ。何かあった時に、人のせいにしたくなかったからです。そのこともお伝えしました。自分で責任を持ちたいからと。ベースには感謝の気持ちがありました。こちらが真摯に向き合いお伝えすると、先生は何も言わずに転院手続きをしてくださりました。
●目の前に起こることを前向きに捉え、自分がご機嫌でいること。
治療をしていると、思わぬ事態が起こることもあります。
散々経験してきました。思うようにならないなーということもたくさん。
でも、そういう時も、あまり悩まずに。
まあ、そういうことだ。と受け入れて。
じゃあできることはあるか?自分はどうしたいか?に立ち戻るようにしています。
もちろん、一人で抱えすぎて負のスパイラルに入ることもありました。
そんな時は、友人に相談したり、先生やいろんな人に聞いたり自分で情報を調べなおしたり。自分の中の不安を解消することに努めました。わからないから、不安になる。怖い気持ちを隠さずに友人に話したら、本当の自分の気持ちが見えてくる。
自分を落ち着かせるにはどうしたらいいか、やってみるのです。
どんな自分がいてもいい。みっともない自分がいてもいい。自分にOKを出して。
そんなことを繰り返していくと、自分が感じること、どうしたいかが見えてきました。
それでも、自分でどうしようもできないことは、医療に頼る面もあります。
そこも、抗わず、感謝しながら受け入れてやっています。
目の前に起こること何事も、前向きに捉え、受け入れていくと、ご機嫌でいられるなあと感じています。
●全てに感謝すること。
そして、一番大切なこと。
全てに感謝すること。
これは、治療云々というより、生き方全てに繋がると思っています。
日頃から感謝の心と謙虚な姿勢でいることを心がけています。
少し長いエピソードですが。
小さい頃から祖父母が毎朝晩、仏壇に手を合わせお経を唱えていたのを見ていました。
私はお盆やお彼岸、訪れたときにしか手を合わせなかったけれど、そしてなぜそうするのかもあまりわかっていなかったです。
大人がやっているのを真似していただけでした。
そして、子どもを産み大人になってから、母から聞いたこと。
母が小さい頃に、祖母(母のお母さん)から、お前たちは毎日仏壇に手を合わせなくてもいいから、寝る前に布団のなかで、ご先祖さま今日も無事に過ごさせていただきありがとうと。明日もいい日であるようお守りくださいと心のなかでいうんだよ。と言われたことがあるそうです。それから、毎日やっているといいます。
それを聞いて私もやりはじめました。
布団のなかで。
心のなかで一日のおわり、ねむりにつくまえ。
すんなり心のなかに入ってきたから。
私は、ご先祖さまたけでなく、神様、仏さまにもありがとうをしています。
目に見えない存在すべてのおかげで、今の私があると思うから。
それは自然に浮かんだ言葉でした。この事は子どもたちにも伝えてます。
すべての出会いはご縁だと 思っています。
今生きてるこの世界で出会えるなんて奇跡です。世界に60億人もの人がいるのにそのなかで出会ってくれる。
感謝しかありません。
そんな、今目の前にいる人を大切にして、感謝すること。
見守ってくれる見えない存在にも感謝すること。
目の前に起こること全てに感謝すること。
そんなことを大切にしながら、
この病と抗がん剤治療を体験しながら
今この幸せを感じて生きています。
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