ブルックリン物語 #25 East of The Sun (And West of The Moon) 「太陽の東」(月の西)
そうだ、熊本へ行こう。あの太陽のような笑顔のみんなの居る。
地震の後にそう心で思うものの、現地の様子はなかなかNYには伝わらず、途方にくれた。「KUMAMOTO」という曲を書いてネットに載せてみたり、自分も心の平安を保っているようなところがあった。5月に一回プロモーションで帰国した時にオールナイトニッポンのスタッフの方が、この「KUMAMOTO」を聞いていてくれて、なんと番組のゲストに僕を呼んでくださった。発信することは一方通行ではない。熊本へ繋がったようで嬉しかった。太陽の国に一歩近づいた。
7月、NYのJazz Galleryで『Answer July』のリリースコンサートを行った時、東京ジャズプロデューサー八島さんが日本から来てくださった。リリースコンサートもさる事ながら"Music for Tomorrow"(被災した場所や地球上の傷ついた人たちを音楽で応援するプロジェクト)の一環として、僕が東京ジャズ2016に緊急参加することになり、その細かな打ち合わせも兼ねていた。
「このコンサートで熊本へ何かを発信できればいいですね」と八島さん。
「できれば自分で投げた球をキャッチしに熊本へ行ってコンサートができればいいのですが」と僕。
「じゃあ9月17、18日あたりを目処にそういうことができないか熊本の色んなところに投げかけてみましょう」
「はい!」
八島さんと僕はそういう会話をした。そこには「音支援の種」をまきたいという気持ちとがあった。しかし、そのあとなかなか熊本からの返信はなかった。おそらくそれをやるにはまだ機が熟していないのかもしれない。混乱もあるのだろう。半ば諦めていた頃のこと。ふとPND RECORDSの受信箱をチェックしていたら、以下のようなメールを発見した。
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