プチDAYS「思いがけないDAY TRIP!」
どうしよう? 行く場所がない。
ホテルがダブルブッキングで出なきゃいけないことになった。シノゴの言っても始まらない。なので荷物を持って、買ったばかりのセブンのコーヒーを二つ胸に持って、公園のベンチに座る。
大きなスーツケースを抱えて早朝の壁打ちテニスを見つめる。そうだ。さっきコーヒーと一緒に買った卵サンドイッチを食べようと思い立つ。
「セブンの卵サンドをフライパンで両面焼くか、オーブンで焼くとめちゃくちゃ美味しいですよ。」
そう聞いたばかりばかりで思わず手が伸びて買ったのだけれど、少し寒くなった公園のベンチで食べると切ない味でもある。
そうだ。朝のネイチャーコーリング、どうしよう。日本のすごいところは公衆トイレが使えることだ(公衆トイレツアーが人気だと言われている)。NYはまず無理だ。なので普段から水分調整やアレルギーのある食べ物で突然催したりしないよう気をつけなければいけない。この公園にも見渡すところに古いけれど小さなトイレがある。
全荷物を卵サンドとコーヒーと一緒にベンチに置いたまま、トイレをちょっと見に行ったって全然セーフなのが嬉しい。個室に紙がある。ポッチャン系の古いトイレだけど用を足すには問題ない。
改めてベンチで卵サンドの残りを齧り、ちょうどいいタイミングで全荷物を持ったままトイレへ向かう。下調べをしてあるので安心だ。
ゴロゴロ荷物を転がしながら駅へと。なんだかトイレは昭和に戻った気分だったが悪くない。お腹がスッキリして頭が働き始める。再びのチェックインが夕方だから、それまでの時間を潰さないといけない。今日はラッキーなことに手続きや申請や健康チェックや歯医者もない。全くのオフ日。
駅でJRの路線図を見る。奥多摩はどうだろう。駅から徒歩で行ける場所を散策して吊り橋なんかあったら渡ったりして。温泉なんて贅沢は言わないけれどあったらどうしよう。パスポートや印鑑や戸籍謄本の写しを持ってるから荷物を橋の袂に置きっぱにはしたくないのだけれど日本だから安全かな。
noteを一緒に並走してるMさんがそういえば八王子だった。で、ラインしてみる。
「奥多摩って遠い? 日帰りで行けたりするのかな?」
すぐに返事が返ってきた。
「行ったことがないなあ。でも八王子から秋川渓谷に行くと吊り橋があったり温泉があったりするから旦那ちゃんに駅までピックに行ってもらうから来れば?」
ええ?
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