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プチDAYS 「おごと〜! でも無事よ。2」

家に帰ると暗い床にぴの寝てたマットがある。

がらんとした部屋でアウターを脱ぎ捨て鍵を置き、一人ソファに寝っ転がる。ぎしっ。

いきなり何も聞こえなくなる

ここんところずっとニューアルバムに没頭してた。思えば半年、一年? オンオフこそあったけれど、ゴールを目指してたものが二日前に仕上がった。持って帰ってきたばかりの音源を大音量でぴと一緒に聞いたのだ。時々ヘッドフォンの右を空中に開いてぴの耳に近づけて。

この中に

ぴが好物のミネラルたっぷりの海苔を久しぶりおやつにあげたりもした。思えばなんか普段しないようなことをやって彼女はストレスだったのじゃないか? そんなことを考え始めたら胸が苦しくなる。

今ごろぴは

小さい体でパパの大きなストレスや興奮を全部受け止めて、突然爆発しちゃったんじゃないのだろうか? そんなことさえ思った。でも考えても出口はない。あるのは精密検査の結果だけだ。今ぴは安全な場所にいる。僕は久しぶりにぴのいない部屋にポツンといる。夜中に彼女の世話をするために何度も起きることもない味気ない夜を何ヶ月かぶりに過ごした。

あのマンハッタンにぴは

もしかしたら少しでも目に光が見えているのでは? そう思っていつも夜通しつけておく電気を全て消すと、真っ暗闇の部屋は恐ろしいほど静まり返り無音で、その中で自身の呼吸の音だけを呆然と聞いていた。

夜中に自分のベッドに横たわるとまた息苦しくなる。携帯のぴの写真を見ていると、彼女にもし何かがあったらと思うだけで心臓が締め付けられる。上半身を起こすと肩でハアハア息をした。

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