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DAYS 「OBロコになったつもりでDAYS2」
DAY1。
「Kay! 急いで。まさか捕まりはしないと思うけれど、早く早く。」
「Senriさんはキッチンのものを、わたしはぴちゃんを抱っこして自分のスーツケースはハンドリングします。」
瞬足で7から4へ戻った2人は手当たり次第 ものを抱えたものの、一瞬ぼーっと立ち尽くし、これじゃいけないとお互いに檄を飛ばし合う。
「僕が往復するんで、ぴをとにかくよろしくお願いします。ご自分のスーツケースは大丈夫ですね? 階段を上がる時は手伝いますので。」
二つの部屋を何度か往復する。自分の部屋だと思い込んで思い切りそこいらに(戸棚の中までも)広げた自称ラグジュアリーアイテム達を急いで畳む。
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全く違う住所でシャワーを浴びる女性とスンデのところで会わずにすみ、やっとの思いで辿り着いたこの部屋だったけれど、このフカフカの大きなベッドも、センスのいいシングルソファが並ぶリビングも、ちょっとしたデスクワークができる粋なスペースも、どこに置いたらいいか迷うくらいの収納も、海に開く白い木のブラインドも、吹き抜けの絵も、シャイニー青タイルのバスルームも、滑りそうでぴが滑らなかった石床も、全部全部ぜーんぶぜーーーーんぶ、自分の部屋ではなかったのだ。
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新しい部屋で荷物を片すKayと顔を見合わせて、話す。
「まさかもう残ってないですよね? 全部、持って来ましたね?」
「そのつもりですけど。もう一回だけ念のために4を見回してきます。じゃないと怖い。なんせ5個? 6個? 部屋がありましたからね。」
「そうですよ。ベッドルームだけでも3つでしたもんね。収納もいっぱいあったし。」
「じゃ、ラスト見回り行って来ます。」
少しの間だったけど本気で過ごしたその場所から、残ってるものがないかチェックして、もしあったらそれも回収しなければいけない。記念撮影を予めやっといて良かった、じゃなくて、そもそも自分の部屋じゃないですから。
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焦る。どこの引き出しに何を振り分けて入れたんだっけ、記憶が微妙で曖昧。とにかく何か痕跡が残ってないかを徹底的に調べて一部屋ずつ電気を消して、最後に「バイバイ!」と言いドアを閉めた。
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