プチDAYS 「凪の一日」
「Dr.Yanの施術は明日の1時です。このメールにくれぐれも返信をしないようにしてください。」
ピン!と音がして携帯を見ると明日のPhysical Therapy(理学療法)の診察のreconfirmation(再確認)だった。
ここのところ週一で通う中国式鍼治療。鍼は即効性があって毎回施術が終わるとスキップができるほど体が楽になる。楽になるからついつい鍼終わりでチャイナタウンでランチを食べてしまうのが玉に瑕。でもそうなるよねえ。美味しいものの宝庫チャイナタウンだもの。つい身体の調子が良くなると食欲も増してしまうのだ。
アメリカの医療システムをちょこっとだけ解説すると、まず患者はprimal doctor (主治医)を決めてその医者がprovider (提供者)になり患者の全体像を把握してから、それぞれの専門医へ紹介し、referral(照会)を書くという流れになる。ちょっとややこしいのだが、僕も最初の頃は保険も切れててしかも直接耳の先生や内科の先生を訪れてて結局診て貰えなくてすごすご帰ってくるってことがよくあった。保険に入ってまずは主治医選び、それを自分自身でやるところから始まるのだ。こういうのって誰も教えてくれない。自分で頭を打って経験から学んでいくしかないのだ。
僕の主治医はジュリア先生。小指を傷めてる僕にpain killer(痛み止めの薬や注射)よりも鍼がいいのではないかと提案した。何人か鍼関係のいい先生の候補リストをくれたのでその中で自分が良さそうな先生を選んでそこへ電話し予約を取った。
当日はジュリア先生からの照会を持参する。
Dr.Yan は僕を見るなり「ははん。」と言った。ニヤッとして「直ぐに横になりなさい」。手のひらで僕の身体に触れるや否や、頭のてっぺんや小指や肘の内側などへどんどん急ピッチで鍼を打っていく。そんなにすぐにわかるんだって感じの速攻さ加減には驚く。
ここから先は
¥ 150
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?