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短期連載「Senriと良子のおしゃべり泥棒」1
Jazzの話をするRyokoさんが晴れやかだ。楽しくてしょうがない顔😃!
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昨日日本から森山さんがきた。森山良子さん。ツアーの合間を縫って。
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「空港からは1人でタクシーでホテルまで行けるからお迎えは必要なし。」と勇ましい。
僕は基本的に心配性なので「大丈夫かな」と気が気じゃない。でも思ったよりもうんと早く「もう部屋よ。快適。」とくったくないメールが手元で鳴る。早速今回のOverviewを話にプロジェクトのメンバーでありニュースクールの恩師でもあるJunkoさんとホテルへ向かう。
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「Senriさん、めちゃくちゃジャズ曲がいっぱい!一緒に聴きましょう!」
Junkoさんが僕が予め送った曲を手元に出してかけ始める。
「ええ?新しい曲の素材が生まれたの?すごいじゃない?」
Ryokoさんの目が輝く。
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3人で車座になり曲のカケラたちを聴く。ポップ時代から一晩で30曲くらい作る僕なのでこれは珍しいわけではないのだけれど、作りながら吐き出し新たなアイデアを入れるという「新陳代謝」の一環でもあるので、この中の何曲が実際に曲になるかはわからないけれど、Brain Storming(頭にあるアイデアを出し合う打ち合わせ)的には、曲があると盛り上がる。
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「お客さんとコール&レスポンスできるシンプルでノリのいい曲があっていいですよね?」
「わ、私のお客さんって本当に素直な方が多いからみんなそれは喜ぶわ。」
「あたしが森山だ、文句あっか?いえ〜〜〜〜〜い!みたいな?」
というようなノリノいい3人の会話!
雨女のRyokoさん登場でこの日の空は雲に覆われた。小1時間の打ち合わせはコーヒーポットが空になるくらい夢中で語りあって終わる。
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僕の頭にこのマンハッタンの高層ビル群を外から(スタッテン島とか?)見る時間を初日に作ろうと画策してたのだけれど、雨になりこの案は奇しくも断念、その代わり、、、、、、
「チャイナタウンで早めの夕食にしません?」
「それ、いい!お腹ぺこぺこなのに気が付いたわ。」
という流れに落ち着く。
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一緒にちょこんと並んで地下鉄に乗り込みキャナルストリート駅まで行く。傘はささない「Senriと良子のおしゃべり泥棒」たちがゲラゲラ笑いながらストリートを行く。お土産物屋にズンズン入っていき英語でお店の人に話しかけちゃうRyokoさん!
「これ、いいわ。買っちゃおう!」
Brooklynと書かれた真っ赤なキャップを値札もそのままできゅっと被り颯爽と小雨の中をSinging in the Rain。後から
「楽しい!」
と小走りに追っかける僕。
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カニを一匹、手袋をしてむしゃむしゃ2人で食べ尽くしレタスの炒め物を「もう入らないよ〜」と言いながらこちらも完食の2人。「見るだけね」ともう一度メニューをもらったらもう止まらず「胡麻団子」をデザートに頼む!気が付くとミッドタウンの”SUMMIT”という最近話題の展望台へと向かってる。
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「今夜は曇っててとてもFoggyな夜なので文句を言わない人だけこの先を進んでください。」
係の人にそう言われて「別に、いいよね?」と顔見合わせぺろっと舌をだす「Senriと良子のおしゃべり泥棒」!
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明日から始まるレッスンに心ときめかせながら、最初の日がローレン先生のHampton Bayの自宅まで片道2時間のドライブという大仕事を控え、心ゆくまで初日の夜のマンハッタンの夜景を楽しむ。
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でも、翌日、想像もしない展開が待っていることを「Senriと良子のおしゃべり泥棒」たちはまだこの時知らない。ただ壁も足元も反射しまくる超然異次元体験にただただ狂喜乱舞し、バブルのボールと戯れ夢の時間を過ごす。
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「じゃあ、おやすみなさい。送らなくていいわよ。どっかのワインバーによっちゃったりして。じゃあ明日、早朝から運転ごめんなさいね〜!」
ニューヨーカーの渦に背中が消えていく。不思議な街だ、ニューヨークは。心に「好き!」が満タンの人は一瞬でこの街の住人だもの。
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Ryokoさんを見送りながら人混みの手元で明日の天気をチェックすると、
「Flood. and Severe Weather All Day」(洪水そして厳しい天気、一日中)
まさかね、きっと大丈夫。僕はそう唱え、
ブルックリンへ帰る。
文・写真 大江千里 (c) Senri Oe, PND Records 2024