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ブルックリンでジャズを耕す #5

ジャズを耕すには時間がかかる。

ジャズの土を盛りバップのタネを植え練習という水をやる。ジャズ芽が出るまでは辛抱強く待たなければいけないし、待っても訪れる保証もない。実際ラッキーにもジャズ芽が出て育ち始めてからも、相当に注意深く害虫から守ったり葉っぱの間引きや鉢替えも機転よく行わなければジャズ芽が途端に元気が無くなってしまう。

ジャズを夢見てピアニスト目指していたにも関わらず、なかなかジャズ芽が出なかったあの頃の自分に、いつかそれを毎日育てる日々が当たり前のように来たことを、こっそりとしかしちゃんと伝えたい。

ヒゲとジャズ芽 G♭

「FBをやっているみんなに問います。今もジャズをやっている人、何人いる? お金になっている? 今どうしてる?」

ある日何気なくPCをスクロールしていると、そんなポスティングが目に入って来た。ニュースクール時代の同級生だ。彼は故郷の西海岸に帰ってサラリーマンをしながら趣味で音楽を続けている。コメント欄には懐かしい顔ぶれが揃い踏みしている。

「ジャズ以外だけれど音楽をやっている、続けていると言いたいところなのだけれど、残念ながらそれさえもやっていない。実家の農園を手伝っているよ」

「楽器屋で月水金テクニシャンをしている。土日は今も大概演奏しているよ。でも客の数はメンバーよりもうんと少ないのは変わらずかな。食える金には全くならない。相変わらずの糞食らえのみんな、大好きだよ。懐かしいな、どうしてる?」

「生きながらえてるよ。ねえ、何人食えているんだろう? ジャズで。マンハッタンに残って仕事しているやつっている?」

ブルックリン、曇り。

満月と新月に断食を始めてどれくらい経つだろう。仕事の夕食会が入ったりギグがあったりすると、前倒したり後ろ倒したりフレキシブルに続けている。

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