見出し画像

プチDAYS 「BIG SOLOを考える」

BIG SOLOが終わって一夜明けると手首も指も肘も肩も意外や意外、全然大丈夫なのに驚いた。囁くような音から爆音に近い音まで弾いていたにも関わらず、実はそんなに力を使わずにまるで「風船を膨らます」ようにピアノに向かって、客席の熱気を吹き込んでいたのだ。

バルーンになって空高く飛んでいく

胃腸炎で倒れた後の2公演はピアノに慎重に触れるところからの再スタートだった。BLUE LIVE 広島のKAWAIのフルコンは、触れると前に触れた時の記憶を即座に蘇えらせてくれた。鍵盤の隙間に、目に見えない薄い膜を張り巡らしたような細やかな上下運動を支えるクッションがある。毎日生まれたての真新しいピアノのような「真っ白な画用紙」を連想させられた。この角度がこのピアノはとても似合う。

やっと帰る空港で撮影できた
最高
photo by niina

オペラシティのピアノは「開く」音だった。ポップにもクラシックにもジャズにもそしてもっと様々なジャンルのいろんな弾き手とセッションした経験値のような余裕を感じるピアノだった。奥から鳴る芯の音がしっかりあり、外へ放出する時に「気取り」を吸い込んで、無垢な印象の音に全部が変換された。

ここから先は

1,584字 / 27画像

¥ 150

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?