Days 2024 「まるで baggage claim で回る荷物のように・中編」
仮眠の後、リハが始まった。
翌日本番を行うホールの入ってるビルの別の階だ。トリオの面々は、会ってない時間分膨らました自己練習の結果をここで互いに確認する。3人の仕上がりは上々と見た。あっという間にリハは終わる。
夜はPND社長仕切りで「西鶴」(ネットで見つけた魚介の店)をおさえる。個室で思う存分堪能する。美味しかった。
たちなみが骨折しただけのことはある路上の異常なツルツルに気をつけつつ、トリオはよちよちホテルへ戻る。
「屋上の風呂へ行ってくるよ。露天風呂もあるんだよ。」
ロスは目をキラキラさせる。マットは、
「僕はばたんきゅだよ。」
と眠るポーズをとる。僕も同じく。
「明日のロビーコールは1時!」
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クリスマスイブがやってくる。イブイブの23日は雪が降り、外は銀世界だった。それがイブ当日になると気温が少しだけ上がり雪が溶ける。心の奥で流石にちょっとだけガッカリしたが、それでも景色に留まった雪はまたそれなりに可愛くていいではないか。
舞台へ。
「リハと言ってもアップテンポと静かめの曲くらいでいいね?」
「うん、あとオープニング曲もやっとく?」
「もしやりたければ?」
3人ともハードスケジュールが頭にあるのでなるだけ本番以外で楽器に触れるのを最小限に留めようとしている。マットのアンプもいい感じだ。ロスはスネアやタムの音も気に入ったようだ。僕はピアノの椅子の高さ、モニター、など気になったところを入念にチェックするとグリーンルームへ戻る。
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