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Days 2024 「まるで baggage claim で回る荷物のように・後編」

12月24日、札幌ジャズ、25日、札幌から東京へ、そしてクリスとのリハ、目の前のことだけに集中していたら、あっという間にBlue Note当日がやってきた。

26日 気がつくとブルーの光の中にいた

トリオは僅かなクリスマスの一日を別々に過ごす。それぞれがそれぞれの時間があるのとないのとではその次が全然違ってくる。ロビーコール。クリスとのリハはいいガス抜きにもなり僕は新鮮な気持ちで2人に会う。「よっ」お互いに挨拶もほどほどにBlue Noteバスに乗り込んだ。

「このバスいつもよりも大きいよね。」

ロスが座席を見渡してそう言ったので、

「ビッグバンド用じゃないの?」

とマットが答える。

それぞれの単音チェックが始まった

すかさず僕が、

「いや、そろそろ”インコグニート”の来日があるんじゃない? 普段は彼らが乗っているバスだと思うな。」

懐かしい響き Homeに戻った

ははは、と笑い声が溢れる中、”Santa Claus is coming Town”をもじって、

「Incognito is Coming to Town!」

と節をつけて歌う僕に、ロスとマットが口を揃え、

「Abso F ⭕️ckin Lutely!」

(来る途中の飛行機で僕が「SATC」の2nd チャプターを鑑賞してて、このキャリーのセリフにハマっちゃったって言う話から、この流れになる!)

わてらがSenri Oe Trio だす

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1年に1回会うドライバーさんもまるでFamilyのよう。元気だった? なんてハグしたり肩を叩き合ったり。お店の前にはNatsukiと楽屋周りのスタッフが笑顔で待ち構えている。路地を抜けビルの裏手からグリーンルームへのエレベーターに乗る間、僕は1人この様子を新たなメモリーとして脳内に記憶する。

 Blue Note Met Me

この店が大好きで客として来ていた頃のこと、初めてシークレット出演で表に名前を出さずに演奏した夜のこと、その後に「必ず大江千里として帰ってきてください」とお店の人に言っていただいたこと、その後「BOYS MATURE SLOW」が出来て自分から「ぜひここでやりたい」とメールを出した日のこと、、、、、

あの時々のピアノがそのまま今もここにある

返事をいただけてこの店でのヘッドライナーに名前が加わったこと、その楽しかったクインテットの初演奏日のこと、ドラムレスでやって来たトリオのこと、ローレンをボーカルに迎えた日のこと、アリホーニグとのトリオの闘いあった日々のこと、ああ、まだまだある、そして去年のこのトリオでの初ライブの日のことも、、、、、、、、、だ。

全部がいとおしく感じる

「あ、エレベーターの方向間違えちゃった」とか「キッチンに入らないように気をつけて」なんてわちゃわちゃしてるNatsukiとKay、それに笑いながらついていくロスやマットの様子を映画の1シーンを見ているかのように脳内カメラを回し続ける自分。

新たな物語がまた始まろうとしてる

グリーンルームに入るといつもの定位置に衣装をかけ、最小限の持ち物を目の前に並べ本番への準備に入る。既にステージからタム打ちの音やベースアンプの確認音が聞こえ漏れてくる。急いで会場へ足を運ぶと、一年ぶりに会う見慣れた顔のフロアスタッフたちが「お帰りなさい」と声をかけてくれる。

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