【完成】竜巻絞り×夏しぼ織
1,きっかけ
作楽シリーズの『アフリカの渦』。帯から着物を制作いたしました。その時のモノづくりの流れは下記から。
このときのしぼ感を帯につかいたい。しかも今回はしぼがない所にいれるのではなくて、敢えてしぼがあるところの上からさらにしぼを入れたい。上手くいけば、しぼの奥行きに段差をつけた帯をつくりたい。そんな気持ちからスタートしています。
2、織組織は『しぼ織』
そして、選んだ織組織は『しぼ織』の機で織りあげる『夏しぼ』。
ただ、この1年はしぼ織の機がほぼ一杯だったため、新たに試験織を挟むのも難しい状態。それも空きつつあり、今は毎日の様に何かしらの試験織が上がってくる。そんな勢いのある織組織になってきました。
『しぼ織』は、緯糸に御召緯を織り込み、通常の帯よりも1割程度広い幅で製織。それをお湯に付け、大きく縮めた後、帯幅にすることで、帯表面にしぼをつくります。
その地紋にはいくつか種類があり、それを意匠図で設計します。たとえば、一番スタンダードな地紋は、上記縦縞。地紋とともに素材等の変更を行う『夏しぼ』など。
3、竜巻絞り/第一回目
そして、今回はその夏しぼに、竜巻絞りを加えました。第一回目は失敗。
原因はいつかあるとおもいますが、大きな理由として挙げられるのは、帯という素材。織帯(先染め)は着物の反物よりも複雑に織組織を組み上げて織ります。そのため、絞り等の後加工のものとは、相性は良くないです。だから、通常は着物地か染め帯の生地が用いられます。
ただし、それは作る段階の話。もし普通の織り帯地をつかって、上手くいけば、複雑な織組織をもつ、織りと絞りの両方の良さを帯となり、面白いモノづくりとなりそうです。
現状では、帯地が絞りに耐えられず、糸が切れる。帯の巾が予想以上に狭いなど。第一回目としてはある程度、想像の範囲ではありますが、ハプニングはありながらも何とか帯として完成。
職人さんからしても、初めての素材になりますので、今後継続して上で、絞る加減など、どんどんと改善されていくと思います。
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