唐長さんとのモノづくり#6 双葉葵
1,双葉葵
全通柄として、南蛮七宝を織り上げ、お太鼓部分は双葉葵の八寸名古屋帯です(袋帯にも変更可能)。
双葉葵は、京都の賀茂神社の神紋・葵祭でも使われることから、賀茂葵(カモアオイ)とも言われています。普通に葉を2つつけハート型、デザインとしてだけでなく、植物自体も可愛い植物です。
神紋になっていること自体、縁起のよいデザインですが、このハート型の形2つ揃っていることから、最近では愛情を表すとも。
柄づけとしては、お太鼓柄。
お太鼓に織り(刺繍とよく間違われます)で双葉葵を織り成しています。お太鼓は柄が決めにくい・・・と言われることもありますので、通常よりも倍近く紋丈(柄の長さ)をとっていますので、帯の柄出しがちょっと自信ないと言われる方にも大丈夫な仕様になっています。
お太鼓部分は、南蛮七宝を地紋に双葉葵。
それ以外は、南蛮七宝を濃淡で織り上げています。
2,織組織/紹巴織+紬糸
織りは緻密な表現を得意とする紹巴織。
そこに紬糸を通すことで、全体に柔らか優しさを表現してみました。
細かなところですが、紬が通しているのは地の南蛮七宝部分だけ。
双葉葵には紬糸を通さず、この差を利用して(僅かではありますが)文様にメリハリをつけています。これは、唐長さんが唐紙を制作される際、まず最初に南蛮七宝、そのあと双葉葵と2回、和紙に文様を付けられます。その濃淡差を素材・織りで表現してみました。
お太鼓に結んで頂いたときに、タレは無地にしています。
こうすることで、南蛮七宝が立ち、柄全体の面白味みが増す・・・。試みをしています。