作楽#8 あさ蛍/紹巴織
1,デザイン
京都の堀川通り、朝の光で照らされたイチョウをモチーフに制作した袋帯です。
帯のデザインとする時には、イチョウではなく、もう少し抽象性の高い樹木をモチーフに、黄金のような綺麗な光がスーッと入っていく様子を表現しました。横段上に取った細かな地紋は、空気が動き出すのを織りで表現、イメージとしては光が上から下に入って来る、青いホタルは光に惹かれるように、上へスーッと動くそんな流れです。
のちのち、羽織にする際にこの地紋に大きく着目して制作を進めましたが、この帯にとってそれだけ重要なアクセントだったりします。
2,お腹部分
お腹は同じモチーフを使ったものではありますが、実際には新しい図案と意匠図を作ったのと同じ手間を掛けました。こちらは朝の光が入る前(銀糸のみで製織)、青のホタルが徐々に上へ上がる準備をしている、そんなお腹の柄です。時系列的には、お腹柄⇒お太鼓へ。
3,裏地について
裏に関しては、表の緻密な柄を受けて、シンプルな幾何学文様です。こちらも斜めに柄を流すことで、表と裏、両方に動きをもたせた帯にしています。どちらかといえば、表は静。裏は動。
意識はしていませんでしたが、個人的にはこの組み合わせで袋帯を作ることが多いようです。
4,夏羽織へ(更新継続中)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?