唐長さんとのモノづくり#3 南蛮七宝文様Ver,1
1,南蛮七宝を織りで表現
先行して、『南蛮七宝に蕨』が登場しましたが、もともと制作が始まったのは、このシンプルな『南蛮七宝』文様から。
650ある版木の中から、最初にモノづくりをさせて頂くのに、この文様を選んだことには偶然性もありましたが、今は『最初にこの柄を選んで良かった。』と胸を張って言えます。
最初は帯づくりからでしたが、この南蛮七宝文様に関しては帯にして、他の着物に合わせても◎。着物をつくって、他の帯を合わせても◎。と色んなものと親和性があります。また、配色を変えるだけで全く別の雰囲気も持ち(薄地と濃い地色とでは性格が変わってみえます)、やり甲斐のある文様です。
2,様々な織りで、それぞれの織りに適した表現
ちなみに、最初に制作したのは帯地。織組織は『紹巴織』(この紹巴織は・・・というのは、いずれまとめて書きますね。)です。
そこから試行錯誤しながら、総紗縫、経紬、しぼ織、千寿錦、上品綟。最近は夏しぼ。さらに着物では、御召、大島紬、有線ビロードなどこちらも多岐にわたる織物を作っています。染めの場合は、塵よけ、抜染大島紬(東郷織物)、綿薩摩など・・・。
ほとんど全種類の織組織で制作していますので、おいおいご紹介していきたいと思っています(徐々に増えやしていきますね。)。
2-1 紹巴織
約4cmを織り進めるのにあたり、一色辺り約100回筬を打ち込むことで製織する紹巴織。緻密な表現を得意とします。
この南蛮七宝文様で使用している色は、2色に見えますが、地の部分にもう一色同色系の色を使うことで織りの奥行きや色の深さを作り出しています。
◯紹巴織の名古屋帯
2-2 紗楽の南蛮七宝
2-3 総紗縫の南蛮七宝
◎小物
南蛮七宝の数寄屋袋