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作楽#14 作楽ぼかし七宝繋ぎ文様/紹巴織
1、デザイン/七宝繋ぎ柄
作楽シリーズはつくる楽しみ。という部分から、少し変わった柄が多いです。アリス英字とか。では、そのコンセプトで定番と言われる古典柄をつくるとどうなるか?
ちょうど礼装用やセミフォーマルの帯をつくって欲しいとの声も頂いていましたので、制作した帯になります。
表には動きのあるデザイン。
裏はそれとは反対に静けさのある文様にしています。
糸使いも極めてシンプルに上げています。
こだわりは、地の部分。ここには鹿引織という技法を使い、鹿毛の刷毛で染めた様に、細かな刷毛目が見えるような表現を織りで出しました。
2、織組織/紹巴織
古典柄をつくりたいと思ってはじめたモノづくり。古典柄であっても、どこにでもある七宝繋ぎにするつもりはなく、試行錯誤しています。
例えば、通常線で入れる金銀糸を粉雪の様に、点で帯の地全体に散らしたり、全体に入る横段は織りとは思えないほどグラデーションを付けた設計をしています。
ちなみに、金銀糸はかなり細いモノを使用しています。主でつかう絹糸とは、素材の太細がありますので、光沢の感じを活かしながら、この素材感の差を利用して、地に陰影を作り出す様にしています。まだ他には応用できていませんが、紹巴織の新しい表現方法の一つです。
Online仙福屋【作楽ぼかし七宝繋ぎ文様(袋帯)】
→https://www.senpukuya.jp/products/detail.php?product_id=4295
3、コーディネート
となみ織物では、新しい試みをした帯を本仕立てして、試し結びを行います。たとえば完全に新しい織組織や新しい糸使いを試みたモノ、その他気になったモノなど。そして、結ばれた帯は、しわ伸ばしなどアフターケアをした後は保管しています。
そして、それが製品となった後、出番としては雑誌社へ貸し出し、撮影での使用、社員・スタッフへの貸出等となります。
この帯も新しい金銀糸の使い方をしていますので、それのチェックのため、織り上がり1本目は、試し結び用で仕立てしました。現在、そのような帯は数多くありますが、それらの中でも、この帯は1、2番の人気があったります。なにか人を惹き付ける魅力があるようです。