作楽#24/星七宝繋ぎ(紹巴織)
1,デザイン
大きな部分では、七宝繋ぎ文様。その中に紗綾形、亀甲、唐草などの古典中の古典柄を配したデザインの袋帯です。
地部分がちらちらと見えるのは、本来であれば沈んで殆ど見えなくなるはずの箔、それを帯地の表に出してきました。こうすることで、七宝繋ぎの柄をクッキリと出さず、少し離れたところにあるようにしています。イメージとしては、舞う雪。その中に入って、少し霞んでいるような・・・、奥行きを帯の中に表現しました。
そして、タレ部分には七宝繋ぎの柄は織らずに、ちらちらと見える雪だけを織り込んだ、タレ無地の帯となります。
2,織組織/紹巴織
この帯の織組織は紹巴織。緻密な織り表現を得意とします。
紹巴織の詳細は上のリンクから。
紹巴織は大きく2種類に分けることができます。同じ職人、機ではありますが、緯糸を変えることで仕上がりは全く異なります。
そもそも、となみ織物の紹巴織は常に緯糸が3つ通ります(平織りであれば、一色。最低3倍緯糸が通る=筬打ちをしないと生地が織れない。)。
一つのパターンは3つの緯糸が絹糸の場合。
ほとんどの麹塵染シリーズがこのタイプです。
もう一つのパターンは、3つのうち、一つに箔を通す場合。紹巴織の前期はほとんどがこのパターンです。たとえば、里村紹巴の世界など。一旦、全て糸だけの製織になり、そこから再度見直され、糸+箔も織られるように。その代表例は『金銀花』シリーズ。
この作楽『星七宝』の帯も、後者の箔をつかうパターンです。
3,裏地
表地と同じ七宝繋ぎ柄です。
こちらはこれも古典文様の一つ、十字柄。それを七宝に組み込んだ『角十字七宝』柄になります。
織りは紹巴織、織り手も機も同じです。
ただし、素材に関してはパターン1の方、全て絹糸で織り上げた帯地になります。
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