夏しぼ帯に絞りを加えていく・・・帯づくり
2021.8.2 完成
2021.03.11〜 しぼ織とは・・・
御召緯を緯糸に通すこと、縮む作用を使って、糸の風合いの良さを生かしつつ、しぼをつける織物。他の織組織と異なるボリューム感がこの織物の大きな特徴。
Online仙福屋セレクション『しぼ織』
https://www.senpukuya.jp/products/list.php?category_id=251
ある意味、織組織としては完成度が高いため、柄以外に遊べる要素が少なく見えますが・・・。
夏しぼ/糸合わせ・地紋修正
まずは、基本的に袷用としての『しぼ織』を糸の合わせ方、通す本数、紋を変更することで、夏・単衣仕様バージョンを制作=夏しぼ。
『南蛮七宝の夏大島とコーディネート』
さらに、この『夏しぼ』のしぼを紋で調整、縦しぼを約3倍細かい地紋を紋で設計して製織(極しぼ)。色を入れてみて、雰囲気チェック。紋から生じるかもしれないキズチェックを行います。
しぼを3倍細かくすることにより、織物の隆起した頂上部分を増やすことになり、同時に谷部分を減らす。地風の面白さに加え、後加工を加えることを考え、地紋のムラを動きを制御できるようにしました。
2021.4.30 地紋づくり/琳派流水
前回の極しぼの細かなしぼ上に、流水柄を箔を使い、織り込みます。しぼのは紋で設計、流水はそれを無視するように、これも紋で織り上げます。
基本的に、紋としては難しくない仕事になりますが、織ってみて問題、たとえば紋の乱れ(紋キズ)が起きるかもしれないため、何度か色や糸種を変え、試験織をとる。こればかりは、やってみないと分かりません。
特に、流水が狭くなる部分。ここのしぼに問題が起きないように(キズに見えることがある。)チェック。
それと同時に、しぼ織にどんな絞りの技法が適切なのか?帯の試験織でチェック。今までのことを考えて大丈夫でも、取ります。
2021.5.16 そして、
本番前に、柄の配置づくり(柄の配置を検討しています、千鳥は紙で雰囲気を見ています)。
お太鼓になったときのことを考えていきます。
お太鼓を少しずらしとき、それでも面白くお太鼓を結べることも考え、全体の配置を考えていきます。ここに時間を掛け、あとは完成を待つのみ・・・。
2021.8.2 完成
しぼ織に絞り、というのは初だったため、入念に検品を行い、完成。
織の流水の方が強いため、ある程度上に入れる千鳥は力強く無いと、文字通り流されてしまいます。
そのため、これくらいのUPにしても耐えられる色を入れ、絞りを施しています。言われないと気づかない部分でもありますが、実は細部で流水と千鳥が戦っているような(笑)そんな帯になっています。
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