[EDH][大体100枚解説][2代目ドクター][ヤズミン•カーン]
組んでから半月ほど経ちデッキの理解度が上がってきたので記録に残しておこうと思う。雑に記すつもりもないが、noteでEDHの記事を漁るような人は前提知識も豊富であろうから、波止場の恐喝者→はとかつ、魔力の墓所→マナクリプトくらいの通称は通じるつもりで書いていくつもりである。これは一文字でも多くMTGの記事を読みたい、情報に飢えたジャンキーのための読み物だ。
統率者指定は《2代目ドクター》と《ヤズミン•カーン》
テキストを読めばそのままなので特段説明することも無い。非常にシンプルで分かりやすい統率者である。ドクターフーのメカニズム、コンパニオンによって2体の統率者指定が可能である。
《2代目ドクター》は毎ターンドローさせる代わりに自分へのアタックを禁じる効果、《ヤズミン•カーン》はタップ起動で衝動的ドローをするだけのカードだ。
本デッキはレベル7程度を想定している。
デッキリスト
殴り向きの統率者では無いため、コンボでの勝ち手段を豊富に入れている。
コンボ
《アフェットの錬金術師》+《幻術師の篭手》
《ヤズミン•カーン》を無限アンタップさせることで山札全てを衝動的ドローし、《タッサの神託者》による特殊勝利。マナファクトがあれば無限マナも出る。
《等時の王笏》+《劇的な逆転》
通称•逆転棒の出し先が統率者領域に置いておける。マナファクトから2マナ以上出る状態で逆転棒を起動すると《ヤズミン•カーン》が無限アンタップするため、無限衝動的ドローから《タッサの神託者》で特殊勝利。
《セファリッドの幻術師》+《稲妻のすね当て》
セルフLOしてから墓地の《セヴィンの再利用》で《タッサの神託者》を釣り上げて特殊勝利。
《ドラニスの判事》+《知識槽》
《ドラニスの判事》は《ザルファーの魔道士、テフェリー》でも可能。対戦相手のみスペルロック。起動能力などは通るため、メジャーなカードだと《耐え抜くもの、母聖樹》《天上都市、大田原》を握られていると不発。無ければ大体勝ち。
《死の国からの脱出》
ルートが多いため詳細に書き出すと面倒くさいが、《死の国からの脱出》《水蓮の花びら》《思考停止》の3枚や、《死の国からの脱出》《研磨基地》《0マナのアーティファクトのいずれか》の3枚が揃っていたら大体勝ちにいける。
《死の国からの脱出》《水蓮の花びら》《思考停止》のパターン
↓
《死の国からの脱出》をキャスト。《水蓮の花びら》をサクってマナを出す。墓地のカードを3枚追放して脱出して《水蓮の花びら》をキャスト、サクってマナを出す。《思考停止》を対象自分にストーム2で山札9枚切削。ここから《水蓮の花びら》を2回、《思考停止》を1回ずつのルーティンで繰り返すと最初から数えて4回目の《思考停止》で39枚切削されたところでセルフLO。さらに6回ルーティンを繰り返すと凡そ対戦相手3人分のデッキを全て切削できる。27回脱出するため81枚以上墓地(コンボ開始時の山札含めて)があれば可能。実際は置いていた土地からマナも出るためもう少し条件は緩い。墓地に落ちたら山札に戻るエルドラージ系のクリーチャーが入っているとLOできない為、セルフLO後に《タッサの神託者》を脱出させる方が早くて確実。《タッサの神託者》が抜かれていた場合はエルドラージ不採用お祈りLO。
《死の国からの脱出》《研磨基地》《0マナのアーティファクトのいずれか》のパターン
↓
《死の国からの脱出》をキャスト。《研磨基地》をキャスト。《0マナのファクト》をコストに《研磨基地》を起動して3枚切削。落ちた3枚で《0マナのファクト》を脱出してキャスト。以下、山札が無くなるまでループ。《タッサの神託者》を脱出して特殊勝利。
途中で《水蓮の花びら》《思考停止》が落ちれば場合によって切り替えも可能かも。その可能性も鑑みて、ストームは必ず最初から数えていくべき。
《ライオンの瞳のダイアモンド》であれば手順がある程度省略されて浮きマナまで発生するが、値段が高すぎる。《直観》も値段がネックで不採用。1枚でパーツを集められるので富裕層の皆様方は入れるべきである。
白白白青赤2出れば《呪文探求者》から1枚でブリーチコンボに入れる。熱心に説明してくださっている方がいるので紹介という形で省略ズルをする。本当にありがたい。
各カードの役割分け
2つ以上の役割を持つカードについてはメインの運用の方にふり分けてある。
コンボ
(クリーチャー)
ドラニスの判事
アフェットの錬金術師
セファリッドの幻術師
タッサの神託者
ザルファーの魔道士、テフェリー
(インスタント)
儚い存在
思考停止
劇的な逆転
最後の賭け
(ソーサリー)
セヴィンの再利用
(エンチャント)
死の国からの脱出
(アーティファクト)
ミシュラのガラクタ
研磨基地
幻術師の篭手
等時の王笏
稲妻のすね当て
知識槽
妨害
(インスタント)
流刑への道
沈黙
剣を鍬に
猿術
急速混成
過大な贈り物
アノールの焔
侵入者の放逐
大群退治
(エンチャント)
亡霊の牢獄
プロパガンダ
息詰まる徴税
ペンドレルの霧
打ち消し
(インスタント)
否定の契約
断れない提案
白鳥の歌
秘儀の否定
対抗呪文
軽蔑的な一撃
ドビンの拒否権
本質の散乱
否認
サーチ•ドロー
(クリーチャー)
エスパーの歩哨
呪文探求者
奪い取り屋、サーダ•アデール
帝国の徴募兵
(インスタント)
悟りの教示者
神秘の教示者
交錯の混乱
(ソーサリー)
鋼打ちの贈り物
牧歌的な教示者
加工
通り抜け
(エンチャント)
神秘的負荷
その他
(クリーチャー)
夜明けの空、猗旺
陽焼の執政
夢さらい
至高の審判者、イスペリア
(ソーサリー)
再稼働
マナファクト
宝石の睡蓮
水蓮の花びら
魔力の墓所
魔力の櫃
太陽の指輪
秘儀の印鑑
友なる石
精神石
確信のタリスマン
独創のタリスマン
マナ出る土地
いっぱい
マナ出ない土地
イス卿の迷路
本デッキの特徴
とにかく、殴り勝つことは滅多に無い。一応の保険として《夜明けの空、猗旺》《陽焼の執政》《夢さらい》《至高の審判者、イスペリア》といった、飛行を持ちブロッカーにもなり、ある程度の脅威に立ち向かえるクリーチャーを入れてはいるが、パワー5〜6のクリーチャーだけで120点を削り切れるほど統率者戦は甘くない。あくまでこのクリーチャーらは漁夫の利パンチをしたり、ヘイトが高すぎなくて単除去の飛んでこないブロッカーになったりくらいの役割しか持たない。そもそも、統率者指定の《2代目ドクター》によって殴り先にされることは少ないのだが。
もちろんドローしないことも選べる。選べるが、ドローして良いと言われたらドローするのが人間だ。カードゲーマーだ。2週間ほどこの統率者で遊んでいると、序盤にドローの恩恵を貰ったくせに中盤以降はドローしないことを選んでこちらを殴ってくる不届者が毎回出てくることに気づいた。恩を知らない畜生同然である。
しかし、自分をAとしてB→C→Dと進む卓順だったとして、Bのプレイヤーのみドローを選ばずに自分にアタックした場合、C,Dのプレイヤーはブロッカーの減ったBをアタックすることが最善手となる。Cの場合もDにおいて同様。Dの場合においても次の順において同様のことが起きる。
つまり、Aにアタックしたい場合、B,C,Dが全員ドローしないことを選ばない限り、結果的に、Aにアタックした自分が他2人の標的とされるのである。しかも1人だけドローできていないのでアド差もつけられてしまう。B,C,Dが全員でAを狙った場合でも、Aのみドローしているので、何らかの解決を持っている可能性は上がっている。
いずれの場合においても、場にいるだけで対戦プレイヤーをコントロールし、手札のアドをも取れる独創的な統率者である。
本デッキはこの対戦展開を有利に進めるためのカードを厚めに採用している。
•《プロパガンダ》《亡霊の牢獄》は同型の色違いカードである。自分に攻撃するクリーチャーに対して2マナ/1体を要求するため、心理的にアタックしないことを、ドローを選びやすい。
•《ペンドレルの霧》はアップキープにクリーチャー1体につき1マナを課税。払わないと生け贄に捧げさせる。前述の2枚と組み合わせるとほとんどアタックされなくなる。ドローするだけドローさせてもらいながら、集まったパーツからの無限トークンで裏切ってくるような不届者を対処するためのカードである。クリーチャーに課税させてコンボを止めるためのマナを余らせないようにする役割もあり、見た目以上に強い。ヘイトも高いがクリーチャーに比べてエンチャントは割りにくいし殴ろうにも殴りに来れない。(なんとこれは再録禁止カード!1000円以下で買える!今のうちだぞ!2023/11/1現在)
•単体除去は5枚も!《流刑への道》《剣を鍬に》《猿術》《急速混成》《過大な贈り物》と入っている。ドローしないことを選んだ恩知らずの所有クリーチャーに生存権は無い。裏切ればそれだけの応酬がある。統率者戦においては1:1交換になる単体除去は最低限しか採用されない傾向にあるが、統率者2体が手札をパンパンにさせるため、あまり心配はない。
•《至高の審判者、イスペリア》もゲームを終わらせるほどの性能は無いから除去打つには勿体無いし、これがいると殴り先にしにくくて結果的にドローを選ばせるようなカード。こういう強すぎず弱すぎずなカードを選び取って100枚を作る過程に悦びを感じる。コンボを決めるタイミングを待つだけでなく、飛行パワー6で小突きながらプレッシャーをかけていける点でも非常に優秀である。
•《イス卿の迷路》は説明不要であろう。ジェネラル21点パンチを決めるようなデッキに対して滅法強い。呪禁装備品だけは割る必要があるが、0マナでやって良いことではない。
以上のこざかしいカードを使い、心理的に対戦相手を掌握することで、勝手に殴り合いをさせる。そして隙の糸を見つけて必勝コンボを決めるのが本デッキ、《2代目ドクター》+《ヤズミン•カーン》である。
殴りデッキの多い卓で強く、コンボデッキの多い卓では《ヤズミン•カーン》の召喚酔いが解けるかどうかと、引いた打ち消しの枚数次第というところである。全卓を通して序盤に適当に殴られ辛いので、オープンリーチをかけてから急にライフを0まで詰め切られる心配が少ない。
《波止場の恐喝者》《直観》《ライオンの瞳のダイアモンド》《金属モックス》《激情の後見》《偏向はたき》《たかくてつよいとち》などがあれば更に上のレベル帯でも戦えるであろう。
2人対戦では出来ない種類の心理戦を仕掛けられるのでとても気に入っている。皆さんも使ってみてはいかがだろうか。
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