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英語テキスト 懐かしの一冊 05

テキストの紹介

いつまで続くかわからない、かたづけをしていたら出てきたテキストを紹介する投稿、第五回目です。

とりあえずこれが最後です。
また何かなつかしのテキストが出てきた時に紹介できればと思います。

今回は、
「UNDERSTANDING AND USING ENGLISH GRAMMAR」
Berry Schrampher Azar 著
です。

ESL(英語を母語としない学習者向け)といえばこれ、と言っても良いくらい有名なテキストの一つだと思います。
海外留学経験者、あるいは日本の大学の英語の授業でも、学習者、教育者にかかわらず、ご存じの方は多いかもしれません。

このテキストは、2005年にアメリカ滞在時に通っていた英語学校で配布されたものです。

ついでなので、その時のことの話を少し。。。

英語学校にて

英語レベルとクラス分け

おそらく大体のどの英語学校でも、Conversation, Grammarの授業について、英語能力に応じて、

・Beginner
・Lower-intermidiate
・Intermidiate
・Upper-intermidiate
・Advanced

の5段階のいずれかにそれぞれ振り分けられるかと思います。
入学時にペーパー試験と面接が行われ、その結果から判断されます。

当時、27歳で会社員。
大学受験からはだいぶ年数が経ってはいたものの、Grammarは「Upper-intermidiate」からのスタートでした。
Conversationのクラスはなんと「Lower-intermidiate」でした。。。(笑)

空港に到着したとき送迎の人とすぐに会えず、サービスデスクに館内アナウンスをお願いしようにもどう伝えてよいのかわからず、まさにジェスチャーみたいな伝え方をしていたようなレベルでしたので、Conversationのクラスについては、まあ妥当だったと思います。

紹介しているテキスト、
「UNDERSTANDING AND USING ENGLISH GRAMMAR, Volume B」
は、Grammarのクラスでの使用テキストでした。

日本人は文法が得意?

日本の英語教育は文法偏重型。
とはよく言われてきており、クラス分けの結果にもあらわれているように、私などはまさにその典型だったと思います。

一方で、「日本人は文法が得意」には少し懐疑的なところがあります。

最終的には、
Grammarは「Advanced」
Conversationは「Upper-intermidiate」
まで進むことができたのですが、

あくまでも私が在籍していた期間では、日本人のクラスメイトは、GrammarのUpper-intermidiateのクラスで一緒になった方ただ一人だけでした。

その方との思い出話はこちら、、、

Grammarも、Conversationも、「Intermidiate」以下のクラスは、だいたい中南米系の留学生と、総じて日本人が占めている感じでした。
日本人の中には、現役の日本の大学生もちらほらいましたので、ちょっと残念に思いました。

文法偏重型生徒のつらさ

「話すこともできない言語なのに、文法はよく知っている」
世界的には、こういうタイプは基本いません。

「文法ができる人は、会話も普通にできる」
これが自然ですよね。

Grammarのクラスには、国籍的には、ドイツ、次いでスペイン、イタリアなど欧州諸国、アジア系ではたまにベトナム、韓国あたりの人がいて、皆さん、普通に英語でコミュニケーションできていました。

授業は、生徒5~10人 / クラス のゼミナール形式。
問題演習では、となりあった生徒と相談しながら進めることが多く、
次何をやらなくてはいけないのか、先生の説明もよくわからなかったり、
相談しながらといっても、何を言っているのかもあまりよくわからず、きついし、気まずいしという時間が結構多かったです。

自分が受けた日本の英語教育、いったい何だったのかと思いました。

さらなるジゴク

テキスト「UNDERSTANDING AND USING ENGLISH GRAMMAR」が一周したとき、試験を受けるように言われ、それをパスし「Advanced」クラスへ進むことになりました。

Advancedの授業では決まったテキストは使用せず、先生がその日のテーマについての英語の資料かプリントを渡し、それについてのディスカッション、グループ演習を行います。

そのころ、Conversation は「Intermidiate」に上がったくらいの頃で、たいしてしゃべれないのはあまり変わってませんでしたし、もくもくとテキストの問題を解くという逃げ道も断たれてしまい、本当にきつかったです(笑)。

「Advanced」のクラスメイトは、建築士のドイツ人、弁護士のスペイン人、高校英語教師のドイツ人など、
場所はサンフランシスコでしたので、スタンフォード、UCLAバークレーなど有名大学への進学準備のために通っているなんていう生徒もいたりという環境でした。
経歴や目的意識をしっかりと持っている人たちの比率がかなり高く、ディスカッションなんて当たり前という英語力です。
ホント針のむしろ状態。

でも、すこし背伸びして、自分に負荷がかかるような環境につかってみたことは、有意義な経験であったとその時から思っていました。

というのも、仕事でも、留学でも、研究でも、何でも、英語でコミュニケーションすることを選択すれば、同じような決心みたいなことをしなくてはならない時が必ず来ます。

もちろん、言葉ができる人にお任せして、うしろにかくれてしまうことでやり過ごすことなんていくらでもできてしまうかもしれませんが、それでは面白くないじゃないですか。

背伸びしないとできないことに、積極的に自分から手をあげて加わる、ということ自体に慣れておく。
これは、英語に限らず、かなり重要なことだと思います。

文法学習へのアプローチの違い

まず文法力に自信を持とう

日本の英語教育では、高校生まででほぼすべての文法の勉強が終わります。

「UNDERSTANDING AND USING ENGLISH GRAMMAR, Volume B」は、シリーズ最後のテキストではありますが、高校英語を勉強されている方には、初めて見る文法や構文はほとんどないはずです。

将来、海外に行きたいと思っている方は、ぜひ自信をもって臨んでいただければなと思います。

日本の文法書との違い

一方で、
「UNDERSTANDING AND USING ENGLISH GRAMMAR」では、日本の文法書のように、単元ごとにある文法単体を個別に学ぶのではなく、テーマごとに学ぶような構成になっています。
そのため、学びの深さは深く、横・奥行の幅は広いです。

日本では例えば、「今日は so…that~ を勉強します」と、その文法一つにフォーカスされますが、
「so…that~」は「cause and effect(因果)」という単元で学びます。

「so…that~」は、ひたすら「too…to~」への書き換えとともに、「あまりに…で~できない」と習ったと思います。
これは「so…that~」の使い方の一つの側面でしかありません。

そもそも「因果」の表現ですので、that 以下が can't でなくてはならないなんて言うルールは実はありません。
「too…to~」 への書き換え、すなわち「too(…すぎる)」というネガティブな強調への書き換えしか学ばないので、「~できない(can't)」という表現で使うものだと定着してしまっているように思います。

"She has so much money that she can buy wahtever she wants."
"The weather was so nice that we went to the zoo."
とか、因果関係が示せていれば、ポジティブなことを書いてもかまわないですし、必ず「too…to~」に書き換えられるわけでもありません。

「so …. that ~」は、「因果」の単元のなかで、

・名詞を強調する場合として、「such 名詞 that ~」
・Therefore, consequentry, so, because (of), due to, thanks to 

などと一緒に、多くの設問、演習、例文から同時に学びますので、適切な使い分けや、豊かな表現力が得られやすくなります。

ちなみにこの「UNDERSTANDING AND USING ENGLISH GRAMMAR」ですが、同 Betty Azar(著)に、

初級編の「Basic English Grammar」
目安レベル:CEFR A1~A2 / TOEIC 300~500

中級編の「Foundamentals of English Grammar」
目安レベル:CEFR A2~B1 / TOEIC 500~700

もあり、シリーズすべてAmazonでも購入可能なようですので、ご興味ある方は、対応レベルのテキストで勉強してみるのはアリだと思います。


テキストの紹介ではなく、思い出話ばかりになってしまいましたが、あの時、行ってよかったと思いますし、人生が大きく変わるきっかけとなった、いまでも思い入れの強い経験です。

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