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自己紹介

僕は免疫内科医で免疫に異常をきたした患者さんを幅広く診ています。特にリウマチ・膠原病・アレルギー領域でお仕事をしています。今でこそ治療が進歩してずいぶん救えるようになりましたが、まだまだ原因がよくわからず、原因に最適化した治療ができているとは言いがたい領域です。目の前の患者さんのためにベストを尽くすのは当然として、いまある治療でできることには限界があるんですね。

研究はたくさんの患者さんに貢献できるかもしれない

免疫内科学は僕がこれを専門にすると決めた時はもっと未知の領域でした。今では多くの患者さんが普通に過ごせるようになった関節リウマチも治療に大きな限界がありました。でもその後生物学的製剤が開発されて劇的に変化しました。そして関節リウマチの病態もかなり分かってきました。そうなったのも多くの先生が研究して得られた成果なんですね。やはり、より多くの患者さんに自分が役立てるには研究が必要なんですね。うまくいかないことが多い研究の世界ですが、限界を感じていた僕は大学に残って研究することを選びました。そしてとても恵まれた米国ボストンで研究する機会を得て渡米し3年半以上経過しました。日本では血管炎症をテーマに研究していましたが、ここでも大きな血管研究のユニットに所属して脂質メディエーターによる自然免疫制御を研究してきました。

自然免疫研究〜好中球をコントロールするのが目標

どの分野も膨大なメカニズムがあるので全てをカバーすることはできません。それぞれの道で頑張っておられる先生がいます。その一端を担うだけでもなかなかできることではないと思います。母校の免疫内科教室はプロスタグランジンや自然免疫の分野で恩師の先生方ががんばってこられていました。自然免疫には触れる機会も多くずっと関わってきました。自然免疫とは外敵が体に侵入してきた時に最初に働く免疫です。それだけでも重要ですよね。その自然免疫の中でも最もたくさん存在する好中球って細胞に着目して仕事をしてきました。「はたらく細胞」ってマンガをご存知でしょうか?ヒトの免疫細胞がとても上手に擬人化されていてよくできたマンガです。好中球カッコ良くないですか?好中球って大事なメインキャラなんです。大事な免疫細胞なんです。そこをうまくコントロールできたら(全てではないですが)色んな免疫の病気の制御に貢献できると信じています。

安全な飲み薬を開発したい

さらに僕は脂質メディエーターを利用して免疫をコントロールすることを目指しています。何がいいかって分子の大きさが小さいので注射ではなく飲み薬になれることです。一部はすでに他の免疫の病気に応用されています。でもその働きがよくわからないままだったんですね。しかも体の中で健康な状態を維持するために大きな役割を果たしているものなので薬剤にしてもそれほど大きな害は持たないはず。免疫の病気は長期にわたってお薬を服用しないといけないので、どうしても副作用のことを考えないといけません。患者さんからもその不安の声をたくさん聞きます。安全で副作用の多い薬の代わりになる治療を目指して研究を続けます。

教育もまた重要なテーマ

研究を中心にここまで書いてきましたが、自分の人生でできることにも限りがあります。自分の持っているものを伝えていくのも重要なことです。今後どういう職場になるかわかりませんが、教育機関で仕事をするチャンスがあれば、教育も優先度が高いテーマとして取り組んでいこうと思っています。

笑顔を見たい

昔からずっと一貫しているのがこれ。自分が何かをして笑顔をもらえるのが嬉しい。そのシンプルなモチベーションでこの仕事を選択し、そして今もがんばれるのです。きっとこれはずっと変わりません。だから研究だけでもダメで、家族やスタッフ、患者さんなど周囲にいる人と実際に接して、笑顔を見たい。ここは僕の原点です。どんな小さなことでも笑顔を見れたら、また頑張ることができます。ここまで読んでくださった方に、何かお役に立てられれば幸いです。

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