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医学研究者&臨床医のAI活用 (2025年1月版)

あけましておめでとうございます。なかなか更新できないままに日々が過ぎておりました。昨年はAIを大きく活用しだした1年でした。AIの進化は大きく日々見直しがされますが、現時点での私の使い方について共有してみます。


ChatGPT

まず最も活用しているのはChatGPTです。有料会員です。AIを活用しようという方はまずChatGPTから始めるのが良いと思いますし、有料と無料では活用の仕方が大きく異なってくるので、有料を強くお勧めします。Plus会員でまずは十分です。

本来ChatGPTは生成AIであって文章などを作り上げるためのAIです。今は画像生成もできるようになっています。以前は新しい情報を取得することができなかったのですが、今は検索機能を持ち合わせています。

研究など機密情報を使うことが多いため、ChatGPTを使うにあたって、まず学習しないように、公式サイトからオプトアウトしてください。これはとても大事です。
https://www.ai-souken.com/article/what-is-chatgpt-opt-out

具体的に何に使っているか列挙してみました。

  • ちょっとした調べもの(仕事でもプライベートでも)*最も頻度が高い

  • E-mailや挨拶などの案を提示して仕上げてもらう

  • 論文の網羅的検索とまとめ(ちょっとした検索はElicitやSciSpaceを使っています)

  • 論文や記事の解説

  • 作成した記事や論文を修正する

  • 学術的な翻訳と解説

  • ファシリテーターや座長としてどう回すか質問するかのサポート

  • 英会話の練習(iPadやiPhoneのアプリ)

もっとたくさん活用していますが、何かアウトプットするものに主に活用しています。アウトプットが多い大学教員にはすごくフィットします。

そして精度の高い回答を得るために重要なのはプロンプト(命令)。

  • 役割を明確にする。例えば、「あなたはとても優秀な免疫研究者かつ編集者、私は免疫研究者で臨床免疫内科医です」など。

  • 対象と何をしたいか明確にする。例えば、「リウマチ専門医向けに雑誌のレビュー記事を書いています。」など。

  • 条件設定は箇条書きでも細かく設定する方がしっくりした回答が得られます。「次に条件を送るのでわかったら「はい」とだけ答えてください。」分量や文体なども指定する。

  • 精度を高めたい時は、「時間がかかっても良いので条件にあった精度を高めてください」などを追加する。デフォルトのChatGPT 4oではなくChatGPT o1など高度な言語モデルを選ぶだけでも回答の精度が変わります(有料会員のみ)。

  • 決まったプロンプトは私はNotionにリストにしていて、コピペ運用しています。スニペットを使っても良いかもしれません。

Perplexity

これは医学に特化したわけではなく一般用に調べものを引用を提示して簡潔に答えてくれます。「学術」を選べば学術情報に絞って検索できます。さっと情報を掴みたいときに便利です。

以前は有料会員でしたが、医学に特化した検索が多いので無料会員に戻りました。回数制限がありますがそれでも十分です。

Gemini

Googleのサービスと親和性が高いAIです。基本はChatGPTのGoogle版です。すごく成長しているAIでとても期待しています。今のところ下記の運用にしています。

  • PDFやイメージの図表をOCRして編集できる図表に変換する

  • YouTube動画のまとめをしてもらう

Copilot

私はブラウザにEdgeを使っています。Chromeと同じエンジンなので拡張機能はChromeのものを使えますし、このCopilotが搭載されていてWebページをすぐに要約してくれるのが便利です。Chrome x Geminiで同じレベルができるようになったら乗り換えも検討します。あとはDropというファイル共有がiOS/Android/Mac/WindowsでできるのでこれもEdgeから離れられない理由です。

Claude

ChatGPTと同様の生成AIです。日本語への対応がとても自然で秀逸です。記事やブログを執筆するのにとても魅力的ですが、今のところChatGPTをメインにしており課金には至っていません。

SciSpace

私のような臨床医&研究者のためにあるような総合AIツールです。割引コードを使って課金ユーザーです。調べたいテーマを文章にして検索すると、関連する論文をリストにして要約してくれます。研究デザインなど項目ごとに比較できるのも大きな特徴です。そしてSciSpaceならではなのが論文を読むためのサポートです。Copilotが搭載されており和訳、図表の説明などWebページを開きならやってくれます。Chat GPTでもできますが、直感的にできるのが良いです。その他にも論文作成時のサポート機能がたくさんあります。とても機能が多い割に割安感があるのが良いです。

Elicit

じゃあSciSpaceでいいよねってなりますが、論文検索のソースがOpen Journal中心なのがイマイチです。このElicitは論文検索のソースが優秀な論文関連データベースであるSemantic Scholarを用いており精度が高いです。なので何かまとめる記事を作成する時はElicitが優秀です。私はSciSpaceとともに有料会員になって使いわけを模索しています。欠点は英語で全て行うことなので、日本語にできるSciSpaceの方が楽だったりはしますが、検索精度はElicitが上です。

PubMed関連検索

PubMedってAIと違うでしょってツッコミが入りますが、優秀なAIが搭載されているのです。PubMed検索式をChatGPTで最適化してPubMed検索を行うと、マッチする論文が出てきます。そこで重要な論文を見てみると、関連する論文の一覧が表示されます。このAIのサジェストがとても優秀です。これで論文検索の輪を広げることができます。

Papers

RedCube Papers、有名な論文管理ソフトです。アプリも優秀なので長年愛用しています。最近Web版のみ論文の内容に関するAIが搭載されました。英語でしか運用できませんが回答精度は高く、図表の説明に時々使っています。でも主に論文管理が目的です。

Notion

高等教育機関の学生や教職員は無料で使用できます。昨年からNotionに情報を集約させて、Notion AIを活用して自由に検索できるようにすることを目論んでいます。うまく運用できたら報告します。


以上、主に仕事に活用しているAIについて述べてきました。AIの進化は激しいので、きっと移り変わっていくと思います。アップデートをここで報告できたらと思います。

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